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実は優しい母?


 ドキドキしながら、ナシュラ様のお母様のお言葉を待っているアリーシャです。


 ナシュラ様のお母様は紅茶をカップに戻すと、私たちを向かいのソファー座るように促しました。

 ……いえ、言われたわけではないのですが……目が語っていました。和やかな雰囲気ではなく、まるで命令されたかのような鋭さが秘められていましたよ! ……すごく怖いです……。


 できれば忘れていたいのですが、私、まだナシュラ様にお姫様抱っこをされています。もしかして、ナシュラ様のお母様が怒っていらっしゃるのはお姫様抱っこのせいですか……?


「ナ、ナシュラ様。その、下ろしていただけますか?」

「どうせソファーに座るんだから、それまでいいだろ?」


 まあ、そうなんですが。でも、ナシュラ様は気づかないのですか? すごく見られていますよ! 恥ずかしいです……。


「ナシュラ、早く座りなさい」

「はいはい」


 ほら……やっぱり怒っていらっしゃるんです! 早く私から離れてほしいって思っているんですよ!


 ナシュラ様のお母様のお声もあってか、ナシュラ様は私をソファーに下ろして、ご自身もその隣に腰を下ろしました。ここのソファーも沈みますねぇ。


「……」


 ……ええっと。なんだかすごく見られています。私の髪や瞳が異様だからでしょうか? もう慣れっこですけどね。


 まずは、自己紹介をするべきですよね。でも、実は地面に足がついていないので立てないのです……。困りましたね、三回目ですよ……。ルリお姉様はおっしゃっていました。二度あることは三度ある、と。確かにその通りですね……。


「……誰か、リリー用のあれを」


 私が困っているのを見かねたのか、ナシュラ様のお母様が小さく手を叩きました。すると、どこからとこなく現れた侍女の方が何かを持ってきてくださいましたよ。なんでしょう? 小さな椅子……?


 小さな椅子は、私の足の下へと設置されました。もしかしてこれは……


「よかったな、アリーシャ。足がつくようになって」

「はい! ありがとうございます」

「リリー用で悪いのだけどね」


 そう、リリーちゃん用の足おきでした! 私にもぴったりですよ。これ、いいですね。


 さっきは焦っていたので声がよく聞こえませんでしたが、ナシュラ様のお母様のお声ってとても繊細です。それに、思っていた方と少し違います。なんだか、とても優しそうに見えてきました!



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