リーちゃんをいじめたらールリリア視点ー
──ひさしぶりのラングー公爵家は……
「もう、リーちゃんったら! どうしてうさぎを置いていくの!」
「まあまあ、ルリリア落ち着いて」
「デュークお兄様は落ち着いていられるのっ?!」
「うっ……」
デュークお兄様は危機感が足りていないわ。もし国王がうさぎがないことに気づいたら……。ああ、私のリーちゃんが!
少し声を荒立てるだけで引き下がるデュークお兄様なんて頼りにならないわ。こうしている間に国王は、きっとリーちゃんにベタベタ触ってにやにやして、何かしら勘違いするに違いないのに!
コンコン
あら……誰かしら?
「みなさま、公爵様がおかえりになりました」
マリアさんの声と共に扉が出てきたお父様は、私たちを見ると満足げに微笑んでいたわ。……ということは!
「ただいま」
「おかえりなさい、あなた。雨は大丈夫だった?」
「ああ。君に会うんだ。濡れたまま来るわけないだろう?」
お母様とピンクのオーラを出しまくるお父様はいらないの!
「お父様、つぶせたの?!」
「ルリリア、まずは挨拶を返してほしいんだが……。ああ、すまんすまん。ばっちりだ」
しょぼんとするお父様もいらないの! きっと睨んでやると引き下がるところはデュークお兄様そっくりね。
内容的には……そうね、たいしていつもと変わらないわ。ちょこーっとアリーシャをいじめたことを伝えて、お父様の権力を使って大臣らを脅せば……ではなくて、大臣らにお願いすればいいのよね。
お父様がやらなくても、代わりにあの国王ならやりそうだったけど。
とりあえず……ざまあみろ、ね!




