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再び、です
奇声? を発した国王様に、少し引き気味のアリーシャです。
国王様って、たまに変になるんですよね。奇声を発したり、ぶつぶつつぶやいて気持ち悪い笑顔を浮かべていたり……。あ、別にキモいなんて思ってないですよ?
「アルベルト!」
……あら? 今の声、なんだか聞き覚えがありませんか? どこにいらっしゃるのでしょうか?
「アリーシャ!」
……あ、いました。ほら、あの豪華なお花がいけられた角のところです。あれは……ナシュラ様、ですか?
ぶんぶん手をふっている人(おそらくナシュラ様)は、私と(おそらく)目が合うと(おそらく)にこりと笑ってこちらへ駆けてきました。
「ナシュラ! アリーシャ逃げよう今すぐ!」
「残念っ! もう遅い!」
ナシュラ様がすごい勢いで私の方へ走ってきます。……と思っていたら、いつの間にか私は、ナシュラ様の腕の中でした。国王様が手を伸ばしていますが、ああもう! 遅すぎですよ!
どんどん国王様が遠ざかっていきます……。
……前にもこんなこと、ありましたよね?




