必殺技その二です
国王様の体調が心配になってきました、アリーシャです……。
国王様、大丈夫でしょうか……? 馬車の中の時のような神々しい笑みではなく、少し憂うような表情をしていたので気になります。つらそうに微笑んだ国王様はやはり美しくて、いかにも王子様な感じでした。
ありきたりってつまらないですよね。……ではなく、国王様が心配です。
そろそろ出てくる頃でしょうか。
ガチャッ
「お待たせ。一人にしてごめんね」
扉から出てきた国王様は、やはり少しつらそうに微笑んでいました。
「国王様……その、大丈夫ですか? 悪寒がしたり、めまいがしたりしませんか?」
「え……僕? 僕は大丈夫だよ」
私が訊ねると、国王様は少し驚いた後、うれしそうににこりと笑いました。柔和なお顔立ちが、さらに優しげに見えて素敵です。
「そうですか……。なら、よかったです。国王様が心配だったので……」
私も、国王様につられて微笑みました。お姉様に教えていただいた、必殺技その二です。相手がつらそうな時は控えめに笑うのがいいんですって! これをすると、たちどころに相手は元気になる……とかならないとか。
「はぅっ!」
あ……国王様が胸を押さえています。私……なにか間違えたのでしょうか?
「かわいい……。その顔は反則……!」
ごめんなさい国王様。なんておっしゃったのかわかりませんでした……。もうすこし大きな声でお願いします。
長期間更新を止めていたにも関わらず、いまだに読んでくださる方がいることに驚きました。そして何より、とても嬉しかったです!
これからは少しずつ更新していこうと思っていますので、どうかよろしくお願いします。




