解決策です
一番近いのは国王様のお部屋……のはずでしたよね。かれこれ三分ほど経過しましたが、まだつきませんよ?
「ご、ごめんねアリーシャ。思ったより……遠かったみたい」
「……くちゅっ! い、いえ。おきになさらず」
だんだん寒くなってきました……。国王様の服を貸していただいていましたが、やっぱり背中が濡れてしまって……。腕が震えています。
でも、私がこれだけ寒いなら、服を脱いでしまった国王様はもっと寒いですよね。どうしましょう……。国王様に風邪を引かせるわけにはいけません!
「こ、国王様。寒いですよね」
「う、うん。アリーシャ、大丈夫? くしゃみしてたし」
「私は大丈夫です……。あの、私、服を脱げば国王様のことを温められると思……」
「だ、ダメだよ! さあ、急ごう! もう見えてきたから!」
あ、ダメですか……。そうですよね。こんな私が服を脱いだとしても、ひっつくなんて嫌ですよね。配慮が足りていませんでした……。
国王様のお顔が真っ赤です。お怒りなんですね……。お姉様が教えてくださった、雪山で遭難したときの教え、今回は役に立ちませんでした。なぜ雪山なのかわかりませんでしたが、人生なにがあるかわかりませんものね。でも、あれは確か……女性のみに有効だったような……。男性相手にはダメだと言っていませんでしたか?
ああ、私ったらダメな子です……。




