アリーシャの考え事
皆様お久しぶりです。びしょびしょのアリーシャです。
「影さん行っちゃいましたね……。大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だよ。それより、早く着替えないと」
だってもう嵐のように吹き荒れています。こんな中外に出たら……いいえ、考えるのは止めましょう。
国王様の言うとおり、早く着替えないといけませんね。私は大丈夫ですが、国王様が風邪をひいてはいけませんもの。
でも……ここ廊下ですよね。私、さすがに廊下で着替えるのはちょっと。どこかの部屋に入りたいですが、私はお城に詳しくありませんし、それに国王様に案内なんてさせられません。……仕方ないですよね。もう覚悟を決めてここで────
「うーん、ここじゃあ着替えられないな。一番近いのは……僕の部屋だね。ごめんね、アリーシャ。もう少しだけ我慢してね」
「は、はい。私なら大丈夫です。それより、国王様が……」
「え、僕? 僕なら平気だよ。僕なんかよりアリーシャが───ってこれエンドレスだよね」
エン……なんておっしゃったのでしょう? あまり聞き慣れない言葉でしたので、聞き取れませんでした。申し訳ないです……。
ええっとそれから、国王様のお部屋って……以前お邪魔させていただいた部屋ですよね。でも、こんなびしょびしょの状態で入ってもいいのでしょうか?
「アリーシャ? 行くよ?」
「あ、ごめんなさい。今行きます!」
気づいたら国王様がもうあんな遠くに! 考え事をしていて見てませんでした……。
早く追いかけないといけません!




