離れたくないのです
国王様のフリージアの香りがとても心地よいです……。
「ふう……もう大丈夫だね。ごめんね、アリーシャ。びっくりしたよね」
「い、いえ。ありがとうございました」
びっくりはしましたけど、助かりました。あのままソファーに沈んでしまっていたらどうなっていたか……!
どうやらここはお庭のようですね。でも、ガーデンパーティーがあったあのお庭とは違います。ここには薔薇のような派手なお花ではなくて、もっと小さな白のお花がたくさん咲いています。
かわいらしい感じで落ち着きます。
「じゃあアリーシャ、降ろすからしっかり捕まって……うわっ!」
「お願いしますっ……もう少しだけ……」
国王様が私のことを降ろそうとしたから……だから……。だから、抱きついてしまいました……。
フリージアの香りから離れたくなかったのです! 優しく包み込んでくれるあの香りが大好きになってしまいました。国王様なんかに興味なんてありませんが、まだこの香りから離さないでください……。
「ア、アリーシャ……?! もしかしてついに僕のことが……?!」
「はぅぅ……。いい香りです……」
国王様の言葉なんて耳に入りません。ごめんなさい国王様……。国王様もきっと私の言葉なんて耳に入っていないでしょうね。だって、何かはわかりませんけどずっと呟いていらっしゃるもの。
「何がきっかけかな? やっぱりさっき助け出したから? いや、もとから好きだったっていうのも考えられるよね! これはもう妃に迎えても大丈夫ってこと……?」




