人形のアリーシャー国王様視点ー
「いいの? ありがとう、アリーシャ! 隣にいてくれるだけで嬉しいよ!」
……うん、確かにそう言ったよ。でもね、アリーシャ……さすがにひどいよ!
~少し時間を遡る~
令嬢「はじめまして、国王様」
僕「はじめまして、ご令嬢」
令嬢「ところで……そのビスクドールは……?」
僕「え、僕の婚約者ですよ。ね、アリーシャ」
アリーシャ「…………」
令嬢「は? いえ、ほほほ。私、用事を思い出しましたの。ではご機嫌よう」
僕「え、ええでは」
僕「アリーシャ……。お願い、少しは話してよ」
アリーシャ「…………」
みたいな流れがずっとだよ! 僕が人形に恋した変人になってしまうじゃないか! いや、確かにアリーシャはかわいいよ。まるでビスクドールだ。
でも、このアリーシャの様子じゃ婚約者じゃない……よね?!
「ねえアリーシャ、お願いだから少し話して!」
「…………」
……はぁ。悲しい……。アリーシャが婚約者となって僕の隣にいてくれているのに、この虚しさはなんだ?
あ、アリーシャのうさぎ……もしかしてアリーシャが僕の婚約者になったこと、ラングー公爵家に伝えてないよ……ね?
うさぎがこっち見てるような気がするし、寒い何かを感じるけど、全部僕の勘違いだよね!




