用事
こんにちは、現在お怒りになっている方の隣にいるアリーシャです。
国王様が怒ってます! 目が尖ってますよ! この国王様は、黒の装いが似合いますねぇ。まさに悪い人、みたいな感じで……
あ、いえ! 誉めているのですよ? ……たぶん
「……しまった! アリーシャ、僕用事を思い出したんだ!」
「まあ、そうですか。なら行ってください」
「君もだよ」
ああよかった。国王様が鋭さを消しました。怒っている国王様の隣にいるの、つらかったんですよ!
……って、私もですか? どうして国王様の用事に私が行かないといけないのでしょう?
「アリーシャともっと早くに出会っていたらこんなことしなかったのに……。仕方ない、行くしかないか」
私ともっと早く出会っていたら? こんなこと、とはなんでしょう?
出来れば置いて行って欲しいのですが……駄目ですよねぇ……。
「とりあえず、応接室に行くよ」
「……はい」
応接室……。誰かとお話しするのでしょうか? でも、私が居ていいのですか?
そういえば……! 今日持ってきた物で、まだ使っていない物が一つありましたね!
ルリお姉様にもらった──────




