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お怒り


 私が深呼吸をしていると皆様は不思議そうな表情をしていました、当たり前ですよね!


「あの…怒らないで聞いてくださいますか?」

「まぁ! リーちゃんに怒るわけないじゃない! 困ったことがあったならお姉様が何でも解決してあげるわ」

「その、実は…今日の夜会で国王様のパートナーをお受けする事になりました」


 言った、言いました私! でも、私が頼んだんじゃないんですよ、国王様です。国王様に怒ってください。

 デュークお兄様、今度こそちゃんとフォローしてくださいね?!


「え…国王に頼まれたの? リーちゃん」

「は、はい。お話しした時にお誘いいただきました」

 

 うう、ルリお姉様が怖いです、にっこり笑顔なのに黒いです。それに、顔、顔が近いです!


「な、なんですって…! あのクソ国王」

「私のリーシャに手を出すとは…うふふ」

「国王には少々お仕置きが必要のようだな」

「まったくです、父上。許せませんね」

「「うちのリーシャ様に手を出すとは、命知らずがいたものですねぇ!」」


 はーい、上からルリお姉様、お母様、お父様、ヒューお兄様、使用人の皆様ですねー。うふふ、皆様怖い、本当に怖い…クソ国王って何でしょうね。デュークお兄様ったら呆気にとられてフォローしてくれません。さっきからお兄様役に立ってません、嘘つきです裏切りです。


「リーちゃん、大丈夫よ。お姉様がやっつけてあげるから」


 やっつけるってどういう意味でしょう…お姉様の目がヤバいです。本当に何かしてしまいそうです…国王様のためにもお受けしないほうがよかったでしょうか。


「…いやルリリア、あいつも一応国王だ。無礼はいけない」

「あらヒューお兄様。国王がリーちゃんのパートナーなら、ヒューお兄様はリーシャをエスコートできないのよ? リーちゃん初めての夜会よ、誰よりも輝く天使の隣にいられる権利がなくなるのよ、それでもいいの?! よくないでしょ?!」

「なっ…!」


 ルリお姉様とヒューお兄様が燃えています。ヒューお兄様が収めてくれそうだったのに、丸め込まれては意味がありません。デュークお兄様も動いてください~。


「で、でも今日だけだから! …リーシャだって断れなかったんだよね? ね?」

「え、ええ、その通りですデュークお兄様」


 ああ、デュークお兄様がやっと助けてくれました! 今頃になって、なんていう感情は忘れてあげましょう。その代わりまだ援護してくださいませ!


「デュークお兄様もよ! お兄様はヒューお兄様の気持ちを考えるべきではなくて? デュークお兄様はリーちゃんのパートナーを務めたわ、だから文句がないんでしょう。でもヒューお兄様は? もし逆の立場だったらお兄様は国王を許せる? 無理でしょう?!」

「うっ…それは…!」

「デューク、お前兄を裏切るなんてしないよな」

「くっ」


 ばたっと地に膝をつけたデュークお兄様。お兄様はこんなにも頼りにならないのにどうして宰相なんてお仕事ができるのでしょうか? 私は不思議でなりません、だってお兄様バカなんですもの。


 私の冷たい視線に気づいたのか、お兄様は途端に目に涙を浮かべました。そんな顔してもお兄様は頼りにならないと証明しているようなものです、今の私には逆効果です。


 そんなお兄様から顔を背けて、皆様の方を向いて指を組みます。胸より少し上で、鎖骨よりは下。硬く組むのではなくゆるく優しく。ゆっくりと瞬きをして首を傾げて…


「皆様ごめんなさい。でも、今日だけだから許して?」


 こういう時は仕方ありません。お願いしましょう、ルリお姉様に教えていただいた必殺技です! さっきもデュークお兄様相手にしましたね。




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