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天然お姫様(※自覚なし)は恋愛に疎いです!  作者: ももせ
2章 ガーデンパーティー
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国王様の思惑ー国王視点ー

国王様視点はちょっと短めです

 

 こんな言い方はあんまりかなって思うけど、嵐が一瞬にして過ぎ去ったみたいだ。


 父上に連れて来られたご令嬢はとても可愛らしくて僕の好みにぴったりで、ソファーに埋もれても気丈に笑ってみせる姿がとても可愛かった、とても。もちろんその笑みが本心からではなく、僕の目の前で失敗はできないという緊張から来てるのは顔を見ればすぐにわかったし、きっとルリリアのことが好きなんだろうというのが伝わって来てとても可愛らしかった、とてもとても。


 ガーデンパーティーなんて面倒だし、仕事が溜まっていてストレスばかりの僕の元に天使がやって来たのかと思った。目がさめるような髪や瞳は目を引いたけど、天使ならあり得ない話じゃない。

 そもそも僕は、あんな可愛らしい子がラングー公爵家に生まれていたなんて信じられない。だってあのラングー公爵家だ。今や王である僕を相変わらず呼び捨てにするし、なんなら命令だって無視される。兄二人は僕より剣術も知能もある、ムカつくことにね。ルリリアに至っては僕をいつまでも子供扱いするし…まぁあの天才には誰も敵わないけどね。突拍子も無い言動とどこから得たのかわからない知識、いっそ眩しすぎるほどの美貌とあの社交性、食えない人だ。僕より年下のくせにお姉さんぶるところがちょっと憎たらしい。


 だから…だからこそ余計意味がわからない。どうやったらあの怪物みたいな連中からあんな儚げな天使が生まれるんだ。お菓子を幸せそうに頬張る姿はまるで警戒心がないし、尊敬とかそんなものが溢れ出る僕を見る目はすごくキラキラしてた。なんなんだろう、ほんとに…。


 あと可愛らしいと思ったのはあれ。ルリリアのミニチュアみたいだったからだ。ルリリアに可愛げは全然ないけど、ルリリアの真似をしているんだろうなということが容易に想像できる姿だった。おそらく礼儀作法はルリリアに教えてもらったんだろう、立ち姿がルリリアそっくりだ。それに、少し考えた後に浮かべる表情がキリッとしていて、つい吹き出してしまいそうになった。ちゃんとできてるよ! って全身で訴えかけて来ているみたいに見えて可愛くて仕方ない。


 腹の探り合いが常の王宮で、久しぶりにあんな子を見た。きっとラングー家で愛されているんだろう、ここでの生活が、彼女を悪いように染めてしまわなければいいんだけど。



 ああ、そういえばアリーシャを迎えに来たデュークラントを見た時は驚いたなぁ。普段は無愛想で口が悪いデュークラントのくせに! そんな顔もできるなんて知らなかったよ!


「失礼します。デュークラントです。こちらに私の妹が連れ去られてはいませんか? …リーシャ!」


 父上も僕もつい目を見開いてしまった。やっぱり親しい者といると表情が崩れやすい、気をつけないと…ってそんなことはどうでもよくて。

 アリーシャを姿を確認した途端笑顔になったよね? もしかしてシスコン? 

 その笑顔を仕事に役立ててほしいよ、まったく。顔はいいんだから、ちょっと笑顔になれば捗りそうな仕事があるのに。



 まあ、パートナーになってくれるって言うし、今日は素直に帰してあげる。まだアリーシャのこと、何も知らないしね。

 アリーシャのことを母上達に知らせたらきっと気に入るだろうし、別に急がなくてもアリーシャは絶対僕のパートナー(・・・・・)になるはずだからね!


 今や社交界の顔であるアリーシャの兄弟達が隠していたのは大きな宝石だ。手放すのは惜しい。

 まだ外見しか知らないけど、きっといい子だと思う。しかし、あの兄弟達と同じく美形ではあるけど、髪と目が異質すぎるのはなぜだろう? ラングー公爵家にあのような者はいなかったはず。僕()の将来のためにも、今のうちに不安は消しておかないとね。


 それに、気になる人の情報はなんでも知りたいって普通思うよね、ね?



短くなるかと思ったらいつもと同じだけ書いてました

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