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お城へ到着です


 はい、今度こそちゃんと到着しましたよ! 馬車は想像以上に揺れるので、地面に足を着けても少しくらくらっとするんですよね。ヘンリが支えてくれているので大丈夫ですが!


 ……あ、お城から誰か出てきましたよ。どうやら使用人の方のようです。ヘンリの衣装もなかなか上等ですが、さすがお城ですねぇ。ヘンリのものより華美で質もいいようです。

 ちなみに出てきたのは、あの大きな扉から……ではなく隣にある普通の扉から、です。使用人の方々が使うための扉なんでしょうか。……そういえば、さっきヘンリが見つけた人はいないようですね。


「お待ちしておりました、アリーシャ様。詳しい話は国王より伺っております。本日はどうぞごゆるりとお過ごしください」

「はい、ありがとうございます。……ところで、デュークお兄様はお仕事中でしょうか?」

「デュークラントですね。今は休憩中だと思います。ご案内いたしましょうか?」

「お願いします」


 実はですね、デュークお兄様にも用があるんです。本当ならお仕事の邪魔をしたくないのですが……お兄様ったら、お昼ご飯を忘れていってしまったんですよ! 別にお城で買うこともできるのですが、せっかくマリアさんが作ってくれたのにもったいないですからね。渡せるなら渡そうと思って持ってきたんです。


 お兄様のお仕事がどんなものか少し気になりますし、国王様のお仕事が終わるまでの時間潰しになるのでちょうどいいですよね。


「少し歩きますが大丈夫でしょうか?」

「リーシャが歩けなくなったら私が担ぐので大丈夫です」

「作用でございますか。……では、こちらです」


 ……歩けなくなることなんて滅多にないと思うのですが……ヘンリに迷惑をかけないためにも頑張って歩きます。早くお兄様にお昼ご飯を渡しにいかないといけませんしね。今が休憩中なのでしたら、きっと急がないとお昼の時間が終わってしまいます。そうなれば、お兄様のことです。お仕事なんて手につかなくなって、同じお仕事をしている方に迷惑をかけてしまうに決まっています! 

 お兄様のこともですが……国王様のことも少し気になるんです。


「あの、国王様のお仕事があとどのくらいで終わるのか教えていただいても構いませんか?」

「国王の仕事に終わりはございません。仕事をしていない間は、ただの休憩です。ですので、具体的な数字を出すことは私には出来かねます」

「……そうなのですか……ありがとうございます」

「待ち遠しいのですか、リーシャ」

「いえ……少し気になっただけですよ」


 そう、気になっただけです。深い意味なんてないですよ? あの真っ白な庭を見にいきたいなんて思ってませんよ? ええ、断じて思っていませんから!


 ……ただ……早く会いに来てほしいとは思います。なぜでしょうね。



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