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お城へ向かいます


 空色の愛らしいドレスは私が選んで、そのあとの細かい作業はお姉様たちがお手伝いをしてくださいました! そのため準備が早く終わったので、私は早速お城へ向かいました。残念ながら、お姉様はお茶会に呼ばれているそうなので一緒にはいません……さみしいです。お兄様もお仕事ですし……。


 でも今日は大丈夫なんです! だってヘンリがいますからね!


 あ、ヘンリというのはですね、ラングー家に仕えてくださっている方なんです。ヘンリのおじいさまの代から仕えてくださっているんですよ! なので、ヘンリと私は家族のように育ちました。ヘンリは私より年上なので、もう一人のお兄様という感じですね。もちろんヘンリも大好きです!


「ねえ、ヘンリ。私お城に入るためのものを何も持っていないんです。大丈夫でしょうか?」

「大丈夫ですよ、アリーシャ様。この馬車を見ればラングー家だとわかります。……ご心配でしたら、兵に声をかけますか? ヒューリストの元へ連絡が届きますよ」

「もう、ヘンリ! 私のことは様付けで呼ばないでくださいっていつも言ってるじゃないですか」


 ヘンリはいつもこうです! 私が何度言っても直してくれないんですよ。お兄様やお姉様のことは普通に呼ぶのに、私だけ様付けなんてひどいと思いませんか?


 まあ、ヘンリは昔から変わらないので、もうなれっこです!


「これは失礼いたしました。……ですが、公的な場では許されませんよ、リーシャ」

「わかっています。でも、今日は公的な場ではないですよ! ……それから、兵の方々に声はかけなくて大丈夫です。お兄様はお仕事中ですからね」


 お仕事の邪魔はダメです。お兄様はお仕事を頑張っていますから!


「リーシャならそう言うと思っていました。……ああ、着いたようですよ」


 そんなヘンリの声にはっとして顔をあげました。少し先には驚くほど大きくて綺麗なお城が……懐かしさしか感じませんね! なにせ昨日初めてお城へやってきて、帰ったのは今日の早朝ですからね。一日も滞在していなかったのに、なんだか妙な安心感がありますよね~。


「リーシャ、どなたかいらっしゃったようですよ」

「え? どこですか?」

「ほら、扉が少し開いているでしょう」


 扉? 扉というと、ちょうど先にあるあの大きな扉のことでしょうか? 深い焦げ茶色の重厚な扉です。かなり距離があるのにあれだけ大きく見えるということは、近づくと見上げるくらいの大きさがあるということでしょうか? ほー、すごいですねぇ。

 

「……あ、よく見ると開いているような気がします! ヘンリよく気がつきましたね」


 よぉく見ると、ですよ! 本当に微かに開いているみたいです。ヘンリ、目がよかったんですね。


 んー、それにしてもお城ってやはり広いですね。先程ヘンリは着いたと言いましたが、実はまだ着いていないんです。正確には、まだお城の門をくぐったところなんですよ。広いですからねぇ。あ、でも大丈夫ですよ、もう本当に着きますから! 


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