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お城へ向かうための準備を!

 国王様がおかえりになった後、私は急いで準備を始めました。寝起きのままお城を飛び出したので髪もぼさぼさ。服も皺になってしまっていて、よくもまあこんな姿で国王様の前に出ることができたなあというひどい有り様です。寝起きを見られているので今さらでしょうか? 


「さあリーちゃん、さっそく準備を始めましょうか」

「はい! えっと、今日のドレスは……」


 やはり春らしいものを……あ、でもお城を探検しようと思っているので動きやすいほうがいいです。だったら、あまり裾の広がったドレスはよくないですね。今の流行りはどの型でしたっけ? うーん、やはりドレスを前に選んだほうが良さそうですね。衣装部屋へ行ってみましょう。


「お姉様、私ドレスを選んできますね」

「あら、リーちゃんが選ぶの? 私が選んであげるわよ?」

「いえ、お姉様の手を煩わせるのはよくありませんから!」

「そう? ……ついて行くのは大丈夫よね?」

「はい、もちろんです」


 部屋を出て衣装部屋へ向かう途中、お姉様に社交界について色々と教えていただきました。こんな私ですが、一応は社交界に出るための勉強をたくさんしてきたんですよ! 礼儀作法はもちろん、立ち居振舞い、同性との接し方、異性のかわし方など、とても厳しく教えられてきました。あれはまるで悪夢のような……いえ、なんでもありません。このお話しはおしまいです。だってもう衣装部屋についてしまいましたからね。


「さてリーちゃん。今の季節に合う色は何かしら」

「そうですね……淡い色のものが好まれます。桃、黄、黄緑……ああ、水色も合いますよね」

「そうね、さすがリーちゃんよ。着たら見せてちょうだいね?」

「はい!」


 自分でドレスを選んだことはもちろんありますよ? でも国王様に会うためのドレスだと思うと、少し緊張します。


 お姉様に少し頭をさげて部屋を入りました。入ったとたんに目に飛び込むたくさんの色になんだか楽しくなります。この部屋のドレスを現在百着ほど。すべて私のものです。……多いですよね。何か行事があるたびにプレゼントされるので増える一方です! もう!


 こんなことを考えている場合ではありませんね。外でお姉様を待たせているんですから! ……うーん、迷います。


「今日は空が綺麗だったので、それに合わせたものがいいです……あ」


 ありました! 澄んだ空色のドレス! 花の蕾が下を向いているような、愛らしい型のものです。これなら大丈夫ですよね? 簡単に着ることができるので、私一人でも着ることができます。


 では、さっそくお姉様にお見せしましょう!


「お姉様、これならどうですか?!」

「リーちゃん! 早かったわね」

「はい! とても素敵なドレスを見つけました! どうですか?」


 お姉様の目の前で、私はくるりと回りました。足首あたりの裾が軽く膨らんで、気分が上がります。


「……そのドレス……まだあったのね」

「え?」

「……とても似合っているわ! リーちゃんに似合わないドレスなんてないものね!」

「ありがとうございます、お姉様」


 そんな風に誉められると照れますね~。


「じゃあ、仕上げをしたらお城に向かいましょうね」

「はい!」


 お城、楽しみですね! 早く準備を終わらせましょう!


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