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天然お姫様(※自覚なし)は恋愛に疎いです!  作者: ももせ
4章 アリーシャの帰宅
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ー国王様視点ー


 ア、アリーシャが。アリーシャが!


「国王様、そんなお顔をなさらないで。国王様は、国王様なんですよ? この国で一番偉いんです。だからどうか、自信を持って。臣下である私に、そんな風に頼んではいけません。あなたはいつだって前を見て、自身の発言に誇りを持つべきです」


 自信を……? でも、きっとアリーシャは嫌なのに? 


 アリーシャが嫌なら、断ってくれていい。確かに僕は国王だけど、無理強いしてまで望んでないよ。無理にアリーシャを婚約者にしたって、アリーシャは振り向いてくれないよね? きっと僕はずっと国王(・・)のままで、アリーシャの好きな人(・・・・)にはなれない。それは僕の望んでることとは全く違う。そんな関係を築くなら、別にアリーシャじゃなくてもいいんだ。でも、そうじゃなくて。僕が望んでるのは、そういうのじゃなくて!


「……国王様、あなたが望むのなら、私に断ることはできません。でも今、あなたは私に答えを求めた。それは、私に対する優しさですか? ……本当に、それは正しいですか? あなたは、上に立つものです。弱味を見せることは、時に必要で、時に下のものに不安を与えます。そんな自信なさげに言われて、相手は気持ちよく了承できるのでしょうか」


 でも、でも! アリーシャの本心を教えてくれないと、意味がないんだ……。僕が無理にしたって意味ないんだから。それは、正しくないこと?


 ……なぁんてはじめは思ったけど。でも、最後の言葉を聞いてなんだか納得した。


「……そっか。そうだよね。ごめんね、アリーシャ。自分の婚約者になるっていう男が頼りなかったらいやだよね。……うん。もう大丈夫。アリーシャがそんな風にびしって言ってくれると思ってなかったよ」


 ほんとに、思ってなかった。アリーシャって案外強い子なのかもね。すごく驚いた。アリーシャには驚かされてばっかりだ!


 国王の婚約者になるんだから、少し強いほうがいいのかもしれないけど……でも、僕はアリーシャを守りたいんだ。きっとアリーシャなら僕の隣に立って生きてくれるだろうね。それはすごくうれしいんだけど、それじゃアリーシャが危ないから。僕がアリーシャを守らないと! まずはアリーシャに僕もちゃんとアリーシャを守れるんだよって証明しないとね。


「ねえ、アリーシャ。もう一度言わせてくれる? 絶対に君を大切にするって誓うから。だから、僕と婚約してください」


 何よりも、誰やりも大切にするって誓うよ。アリーシャのことは、きっとまだまだ好きになれるから。もっともっと、近くにいたくなると思うから。


「……はい、国王様の役に立てるよう、私もがんばりますね」


 そうやって笑ってくれるアリーシャを、どうしてだかすごくいとおしく思えるから!


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