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天然お姫様(※自覚なし)は恋愛に疎いです!  作者: ももせ
4章 アリーシャの帰宅
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デュークお兄様の大切なもの


 私は別に来ていただいても構わないのですが。だって、みなさんお仕事を熱心にしている、っていうことですよね? 周りに迷惑をかけることはよくありませんが、がんばるのはいいことです。


「……家に来るのは構わないわ。リーちゃんもデビューしたんだし、今の流行りや人との接し方を学ぶのはいいことだもの。でも……そんなこと、どうでもいいのよ。今すべきことは、違うでしょう? ねえ、そうよね?」

「ル、ルリリア。そんなに怒らないでよ……わかってるから」

「なら、どうしてここにいるのかしら。他に優先すべきことはまだまだあったはずよ」


 あら……お姉様が再びお怒りのようです。いったい国王様は何をしたのでしょうか。

 それに、他に優先すべきこととは? 突然のお客様をもてなし、わざわざ私にご報告にいらしてくださったのに、すべきことなんてあるのですか? 私には想像もできませんが、頭の回転が早い国王様はとっくに気づいているご様子。さすがですねぇ。


 影さんに至っては興味を無くしたのか、部屋の中を物色し始めています……。目についた物を手にとってはしげしげと眺めて……あ、また別のものを。さっきのものを触っていた時より楽しそうです。今度のはお気に召したようですね! あれは……ああ、確か。


 ちょっと影さんが心配なので見に行きます。お姉様も怒っていますし、少しここは居づらいのでちょうどよかったですね。


「影さん。それ、触らないほうがいいですよ」

「え? どうして?」

「だってそれは……」


 言っても、いいのでしょうか。う~ん、知らないほうが良いかもしれません。幸いにもデュークお兄様はお仕事で今はいませんし、触っていても今はばれませんしね。……まあ、何故か後々ばれて怒られるのですが。


「………理由は聞かないほうがいいと思います。とりあえず、もとの場所にこっそりと戻しておくのがおすすめですよ」

「気になるから言ってくれていいよ? それにこれ……ロケットペンダントだよね。中見てもいい?」

「見ないほうがいいです。お兄様が怒っちゃいます!」


 そう、影さんが持っていたのはデュークお兄様のロケットペンダント。中に何が入っているのかしりませんが、ヒューお兄様が触ろうとしてとても怒っている場面を見てしまいました……。まさか、あのデュークお兄様がお怒りになるなんて……!


 とっても怖かったんです!


「お兄様……ってどっちの?」

「デュークお兄様です」

「あ、それはやめといたほうがいいかも。忠告ありがと」

「いえ、怒ったお兄様は怖いので」

「知ってるよ。一度だけ見たことあるんだよね」

「まあ、本当ですか?! 人前で怒るなんてめずらしいこともあるんですねぇ」


 あの真面目なお兄様が! 影さんには心を許しているということでしょうかね。



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