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天然お姫様(※自覚なし)は恋愛に疎いです!  作者: ももせ
4章 アリーシャの帰宅
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お越しの理由は


 私に釣られて本性を出した影さん。ふふ、私たち姉妹の目はごまかせませんよ!


 でも、少し疑問に思うことがあります。なぜお姿が違うのでしょうか? 変装……にしては嘘臭さがありませんし、実は別人……もありえませんね。なら、お姉様のうさぎのぬいぐるみのように、何か不思議な素晴らしいことが影さんにもできるということでしょうか?


 お姉様は全てお見通し、とでもおっしゃるかのように笑みを深めました。


「まあ、ばれちゃったなら仕方ないかぁ」

「ルリリアに見破られるような変装しか出来ないのか?」

「普通の人間なら気づかないはずなんだけどね」


 国王様ったらひどい。私もちゃんと見破りましたよ!


「……ところで、わざわざ影を表に連れ出して会いに来た理由は一体なんなのかしら」


 お姉様がそう尋ねた直後、国王様が纏う雰囲気ががらりと変わりました。影さんに少し冷たく言葉を投げ掛けた親しみは消え、ぴりりとした空気が流れます。


 でも、どうしてお姉様は影さんを表に連れ出すことに興味を持たれたのでしょうか。国王様を守るために存在している影さんは、いつでも国王様のそばにいるものではないのですか? あ、でも、お姉様たちの影さんは見たことがないですねぇ。存在自体は知っていますが、容姿などに関してはまったく……。


「……実は、アリーシャに関することで……」

「はぁ?」

「? お姉様?」


 今、お姉様は何を言いました? 上品でお優しいお姉様の口から出てくるような言葉ではなかった気がします。なんとも言いがたい威圧的な……。私の、聞き間違いでしょうか。


「こほん。リーちゃん絡みなのね。場合によっては、抹殺するくらいでは済まないわよ」

「……いやその、悪いことじゃないんだけど。本当は喜ぶべきことなんだけど。でも、もしかしたらルリリアたちは怒るんじゃないかなぁって……」

「アルベルトはすごく喜んだよね」

「影!」


 国王様、どうなされたのでしょうか。なんだか焦っているご様子です。お姉様も疑問に思っていらっしゃるのか、きゅっと眉を寄せて思案顔です。そんなお姉様もお美しいですが、なんだか不安そうにも見えますね。


 私には全く想像もつきませんが、まあ、私には関係ないでしょう。昨日はきちんとパーティーに参加出来ませんでしたし、国王様と何かあったわけでもありませんし。強いて言えば一緒に雨に濡れたぐらいですかねぇ。アリーシャに関することで、なんておっしゃいましたが、大した用ではなさそうです。


「早くしてくれるかしら? 待たされるのは嫌いよ」

「あ、うん……実は、昨日アリーシャを婚約者だって紹介しただろう?」

「ええ。リーちゃんに影響がでないよう、姿を変えてね」

「それが問題で……ちょっと長くなるよ」

「構わないわ」


 そういえば、そんなこともありましたね。国王様がお困りのようでしたので、婚約者になったりもしました。お姉様のくださったうさぎのぬいぐるみがとても役立ったのですよね。あれが、国王様やお姉様を困らせる原因なのでしょうか。


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