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特別な日の前日

作者: 新田 葉月

ぱちん、ぱちんと爪を切る音が響いた。

 

長過ぎと言われる事のない丁度良い長さを心がけて慎重に爪きりを動かす。


尖った部分も丁寧に切り、丸く、女の子らしい形に。


普段は使わない高い爪磨きで、自然な艶を出す。

磨いていないところと磨いたところの光の集め具合の違いにすこしだけ微笑んだ。



ハンドクリームを使い日焼けで痛んだ手の甲を優しくケアする。

かさついていた手の甲は滑らかなさわり心地になった。

それから更にいくつかのマッサージを行う。







すべての作業を終了させると、ほぅっとため息が出た。




これで大丈夫かな。



期待と不安の入り混じった気持ちで手を見つめた。


時間をかけて手入れをした手は以前より確実に綺麗になっているように見える。


「あれ? なにしてるの?」

後ろから掛けられた声に反応して振り向いた。

「お手入れだよ」

「ふーん。なんで急に?」


内心で緊張しているのを隠して、なんでそんなことをきくの?と苦笑いしつつ答える。

「なんとなく、だよ」

「そっか」


納得して去っていった影をみつめて、横になった。







明日はフォークダンスがある。

好きな人には綺麗な手を見てほしいから、なんていえるわけないじゃないか。



特別な日は髪型を変えたり、つい、いろいろな事をしてしまいますよねというお話です。

  

明日はフォークダンスだから手のケアしなくちゃね 

という女子力の高い友人の一言をきいて思わず書いてしまいました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 女性が丹念に化粧をするのは、そういう意味からだったのですか。 花が香りをふりまくのと、鳥が鮮やかな色の飾りをまとうのと、動物が匂い付けするのと、根は同じなのですね。 しかし、その気持の小波…
[一言]  こざっぱりとしてて、読みやすかったです。  オチもちゃんとついてるし。  起承転結の構成もちゃんと出来てる。  そして何よりも日常的で、凄く良い。
2013/09/08 19:09 退会済み
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