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悪役令嬢は舞踏会へ

作者: 白井つき


私の名前はサリー・グリフィン。


グリフィン公爵家の娘で今日、16歳になりとうとうデビュタントを果たす。


私はそこで沢山のお友達をつくってずっと夢見ていた大人の世界へ仲間入りするのだ。


と心を躍らせていたのは舞踏会が始まってから2時間前の事。


気付くと周りのご令嬢たちは怯え切っている。


私はどうしてそうなったのか記憶を反芻してみた...。



「次はグリフィン公爵家令嬢、サリー・グリフィン公爵令嬢のご入場です!」


今日の主役の名前が呼ばれる。


そう私が本日の主役で私を祝うために沢山の方が集まって来てくれたのだ。


まあ、何てありがたいことなんでしょう、と心躍らせ足取り軽やかに入場する。


ありきたりな挨拶が終わった後。


私と年齢が近いと思われる一人の令嬢が近寄ってきた。


「初めまして、サリー様。私はマリー・クロレッサと申します。」


挨拶をしてくださったのが嬉しくて私は話題を提供しなければ、と思い一言言った。


「あら、ご挨拶ありがとうございます。あなたの今日のお召し物、大変お手頃なものではないですか?」


するとクロレッサ令嬢は頭を下げる。


「申し訳ございません!サリー様のデビュタントにこんな安物を着てきて!」


私は倹約家で素晴らしいと褒めたはずなのにクロレッサ令嬢は消えてしまった。


次にまた別の令嬢が挨拶にくる。


挨拶の後、先ほどと同じように話題を提供しようと私は返事をする。


「本日のあなたの髪型、私とそっくりですね?」


するとご令嬢は


「申し訳ありません。サリー様の真似をするつもりはなかったのです!」


わたしはお揃いで素敵ね、と伝えたつもりなのに先ほどのご令嬢と同じように消えてしまった。


この後も同じ事が続く。


「あら、そんなに露出が多いと風邪を引きますまよ?」

「今日のあなたのドレス、私のドレスとデザインがそっくりね?」

「今日のあなたの姿、私より輝いているわね?」


などなど...。


全て褒めていったのにどうしてでしょう。


気付くと他のご挨拶に来たご令嬢たちは怯え切っている。


こうして私のデビュタントは終了した。


皆様とご挨拶できてよかったわ。


デビュタントが大成功して嬉しい限りですわ。


これでお友達も沢山出来ましたし!!


と思っているのはサリーだけ。


サリー・グリフィンのふたつ名は『グリフィン家の悪魔』となったが当の本人は悪役令嬢になったことには気づいていなかった。



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