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行方

 結城は翌日、隣室を訪れた。が、案の定鍵が掛かっており、中に入ることは叶わなかった。


 大家に電話をかけて老人に貸していた物を探しにきたと連絡するか迷った。しかし、嘘だとバレれば立ち退きを命じられる、最悪警察行きなどと考えていた。


「あの〜…」


 色々と手を拱いているうちに、老人の親戚を名乗る人物に話しかけられた。どうやら地方から荷物を引き取りの来た後の帰りに立ち寄ったのだそうだ。小包サイズのダンボールを抱えていた。


 結城は隣に住んではいたが、老人のことを何も知らなかったので何か手掛かりに繋がると思った。


「生前はどんな方だったのですか?何かの社長だったとか?」


 急に失礼なことを聞いてしまったという自覚はあったが、考えるより先に質問していた。


「あの人が社長だったという話は聞いたことが無いのだけれど、よくどこかに寄付なんかをされている方だったわね。」


 ビンゴ、結城はそう心の中で叫んだ。


「そうですか、ありがとうございました。」


 結城は相手の挨拶を聞く間もなく、軽く会釈をしてその場を去った。色々思考を巡らせながら歩いていると、コンビニが目に入ったので立ち寄った。 昨日の昼から何も食べていないことを思い出した。


 適当に軽食を買い、部屋に戻る事にした。


 アパートの前に到着した結城は共同のゴミ捨て場を凝視していた。特殊清掃業者が荷物をまとめた際に使用したであろうダンボールを見つけたからだ。


 結城はその段ボールを業者の名前がよく映るようにスマホで写真を撮り、部屋に戻った。鍵を閉め、厳重にチェーンまでかけた結城はデスクトップパソコンの電源を入れた。


「無い。」


 写真に収めた業者の名前を入れ、検索をかけるが専用のホームページはおろか、口コミ等のサービス利用口コミすらも見つからなかった。

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