6/6
6
話しながら歩いていると、教室についた。
黒板に書いてある入学おめでとうのメッセージにまた少しくすぐったい気持ちになりながら、教壇に置いてある席次表に目を向けた。
名前順となっていて私は廊下側の前から2番目の席だった。
そして璃美の予想通り前の席は彼女だった。
「やっぱり!この席で高校生活が始まるなんて最高すぎる!」
はしゃいだ声で喜んでいる彼女に私も笑顔になりながらそっと周りを見渡した。
まだいくつかの空席はあるものの、ほとんどみんなが座っていて
軽く自己紹介をしたり、スマホを弄ったりしながらそれぞれが新しい幕開けを過ごしていた。
璃美の隣の席には既に誰かが座っていたけれど、私の隣はまだだった。
ひとまずは私たちも着席し、先生がやってくるのをおしゃべりしながら待った。
時計に目をやると、あと10分くらいで担任の先生が教室に来るであろう時間だった。
隣の席の人はまだ来ていない。どんな人なのだろうかと、少しそわそわとした気持ちで私は入り口に目を向けた。
その瞬間、入ってきた人に私は目を奪われた。