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夢見がちとは何か。簡単に言ってしまえば理想が高いのだ。
それは相手に求めるスペックや条件の話じゃない。
もしもそれを求めていたのなら私には今頃とっくに彼氏がいるはず。
例えば…と過去に告白をしてくれた面々を思い起こす。
背が高くてかっこよかったサッカー部の先輩。生徒会長を務め更に成績優秀だったクラスメイト、小学校受験して私立へ通ってるお金持ちらしいご近所さんの1個下の男の子などなど。
好きという気持ちを伝えてもらえるのはとても嬉しかったし、彼氏という存在に興味もあった。
でも私の夢見がちな乙女な心が彼らではない、そう告げるのだった。
私は幼少期より仲睦まじい両親を見て育った。そして4姉妹の末っ子の私はさらに姉たちの恋愛を見て育った。その中でたくさんの悩み、不安、幸せ、喜びがあることを知り、それが人それぞれ違うことも学んだ。
父は言う「ママはパパの唯一なんだよ。パパの家はママのいるところなんだよ」優しい笑顔で
母は言う「心から大切に思って、思われてを繰り返してママとパパは世界1幸せな夫婦になったの」穏やかな声で
1番上の姉、美夏は言う「たくさん愛を示してくれるココアにはちみつたっぷりなくらいの人に大切にされることが結局1番幸せ」嬉しさをかみしめながら
2番目の姉、美冬は言う「心がね、お風呂に入っているような温かさを感じるの。そして時々のぼせてしまうけどやっぱりリラックスできる。それが私の最高の愛」蕩けるような瞳で
3番目の姉、美秋は言う「少し落ち込んでいるときに笑わそうとしなくてもいいの。少しのおいしいものとその人がただ傍で寄り添ってくれるだけで自然と笑顔になれちゃうんだよ」少し恥ずかし気な様子で。
そしてみんなが言う「この人とならどんな時も自分を見失わずにいられるって感じる」確信と信頼の心で。