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掲示板には私の名前と璃美の名前が寄り添うように載っていた。
「また私たち席が前後かもね」
嬉しそうに彼女は笑って言った。
その言葉に私の記憶は小学3年生の始業式へと遡っていった。
私は青山美春。4姉妹の末っ子として可愛がられていた私は今よりも受け身な性格で、新しい教室と話したことのない子ばかりが周りにたくさんいることに固まってしまっていた。
そんな私にとても明るい声が降ってきた。
「私、青木璃美っていうの!よろしくね!」
なんとなく名前が似ている私たちは似ているところも似ていないところもたくさんあって、だからこそすごく仲良くなった。
クラスが離れてもお互いの家を行き来してお互いのことを色々話した。
1番のお気に入りは私の母がやっているカフェのスイーツを私の家の玄関に置いてあるブランコに乗って食べながら話すこと。
それは月日が流れた今も変わってない。
こんな絆を持てる友人を誇りに思っている。私は本当に幸運だと。
思い出と感傷に浸っている間にも璃美は話を続けている。
そんな彼女の様子が出会ったあの日の彼女と全く変わっていないように見えて、
なんだか嬉しい気持ちになった私は意識をゆっくりそちらへと向けた。