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第一話 : イベント・インディゴ

人類は今も昔も災害がいつ起きるのか分からない。

ただ、長い人類の歴史から災害への理解は増えてきた。

いつしか、そんな人類は歴史を遥かに超える災害など起きないと、そう油断するようになった。


それがこの()()を引き起こしたのだろう。



= = = = = = = = = =



純白の筒のような通路。多少の違いはあれど、四面が真っ白で精神病棟感漂わせている通路。

そんな通路は、いつもならば孤独を与えるような存在だっただろう。


しかし、今は違う。


白き床もホコリの付いた靴のせいで足跡が無数につき、そもそもとして大勢の人が往来を交わす。往来と言うほど呑気にしていないが。


そして、それは俺にも当てはまるものだった。

白き通路をホコリや傷など気にする間もなく走る。

周りがそうであるように自分も時間に追われていたのだ。




やがて、俺とその仲間を呼び出した博士の元に辿り着いた。

ライト・リノライ博士という名の彼は、すぐに呼ばされた俺たちに話し始めた。


「イベント・インディゴ。」


そんな彼の最初の言葉は、意味がわからないものの悪きことというのはなんとなく想像できた。


「他の並行世界では確認されていた事象だが、全くどう言ったものか我々も知らない。いや、知られないというべきだろうか。」


俺の予想は確信へと変わった。そして、確信どころか微々たる恐怖も感じてきた。


「ただ、その確認された世界の人類は滅んだ。」


そうきっぱりと、何も感じないかのように、恐ろしきことを答えた。

そんな一言に自分を含め仲間は反応を抑えることができず、顔がこわばった。


それを確認した博士は続けて、本題へと話し始めた。


「財団は、イベントの終息に向けて人員を割いている。しかし、前述の通り終息は怪しい。こう話してる間もひろき地球のどこかで人が次々に亡くなっている。」


そう言った後、次の言葉を強調するために一泊置いて。


「だから、君たちには30億の人々の移住先となる並行世界を探索してもらう。」


うんともすんとも言う前に博士は話を続ける。


「もともと君たちは、子供ながら我が国2億の民の中でも選りすぐりの運動神経と頭脳を持つ財団職員だ。世界規模で考えても上位に食い込む。大人の職員は今までの日常の維持とこのイベントの解決のために力を注いでいるから移住先の探索に手が回らない。」


「だから、君たちに私たち財団も含めた全世界30億人の未来を託す。」


空いた口が塞がらないとはまさにこのことだろう。重大な内容をすらすらと言われ困惑しないわけがない。

ただ、こんな事をいう彼は財団内でも屈指の研究能力を持つ博士だ。特に人類・世界滅亡系の分野に関して強いらしい。そんな彼からそう口にされると言うことは、俺たちは信頼されている、、、と言うより、俺たちにはできるとそう考えているのだろう。


俺こと岩野雨刄(いわの あまき)はこの日決心するのだった。

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