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第58話 ミレイアVSフレデリカ①

 世界学生魔法競技会決勝の2日前──。


 私──ミレイア・ミレスタは、ゾーヤ、ナギト、ランベール、マデリーン校長とともに、馬車に乗り込んだ。


 決戦の舞台である、エクセン王国に移動するためだ。




 そして決勝戦の日──。


「……(あき)れるくらい、人がいるな」


 ゾーヤはため息をついて、私に言った。


 ここは、エクセン王国王立スタジアム。最新、世界最大の魔法競技用スタジアムだ。


 観客席を見上げる。10万人は入っているだろう。超満員だ。


 世界学生魔法競技会の決勝戦は、この世の中の最大級のイベントだからだ。


「ひぇ~、緊張してきた~」


 ナギトが言うので、私はふきだした。


「ナギトが緊張してどうするの。試合をするのは私なんだから」

「そうだよバカ」


 ゾーヤがナギトの頭をはたいので、私はちょっと笑ってしまった。


 ──少し、肩の力が抜けた。




 午後2時。エクセン王国王立スタジアム──決勝戦の試合開始の時刻がやってきた。


 私は、スタジアムの花道を通り、舞台に上がろうとしている。


 ドオオオオッ


 地響(じひび)きのような声援。スコラ・シャルロからは全校生徒が観に来ている。


(ありがとう、みんな)


 私は心の中で感謝した。


 舞台上にはすでに、フレデリカが立っている。


 フレデリカの応援団も、エンジェミア王国全土や、スコラ・エンジェミアから大量に押し寄せた。


(さあ、戦おう)


 私は舞台に上がった。


 舞台外の助言者(アドバイザー)役には、ゾーヤ、ナギト、ランベールがついてくれた。


 観客席の最前列には、アルバナーク婆様、各国の国王や王族たち、ジョゼットやナターシャ、マデリーン校長がいる。


 私は目の前のフレデリカに聞いた。


「あなたの助言者(アドバイザー)は?」


 彼女の後ろの舞台外には、誰もいないようだが──。


助言者(アドバイザー)など、私には必要ない。邪魔だ」


 フレデリカは私に言った。


「エクセン王国──ここが約束の地だったんだな。あたしとお前の」


 フレデリカは静かに続けて言う。


「私とお前はエクセンで生まれ、エクセンで育ち、別の場所に旅立った。でも、エクセン王国に帰ってきたのだ」


 ドーン


 試合開始を示す、太鼓(たいこ)の音が鳴った。


 タッ


 フレデリカが私の方に向かってきた。彼女は杖を持っていない。


「はああああああっ!」


 気合とともに飛び上がり、魔力を込めた手刀を私に向かって落としてくる。

 

 ガシイッ


 私は自分の杖で、それを受けた。


 今度は、左拳を私に向かって放ってくる。


 パシッ


 私はそれを右手の平で受けた。


 すべて魔法がこもっている──魔導体術(まどうたいじゅつ)だ。


「プリエルド・プロパガジオン!」


 いきなりフレデリカは唱えた!


 この魔法は、ジェニファーに放ったものだ。


 私は上空を見た。いつの間にか、彼女が使役(しえき)する「闇の堕天使(だてんし)」──フィレンティーヌが出現していた。

 

 私の左腕に向かって、真っ赤な光線が照射(しょうしゃ)される!


 ビュオッ


 私はすぐにそれをかわした。


 ビュバッ


 今度は肩!


 私はそれをしゃがんで回避(かいひ)した。


「見事だ」


 フレデリカは拍手した。


「準備運動としては、なかなか良い動きだ」

「……準備運動ね」


 あの光線が体に当たったら、完全に(つらぬ)かれていた──。


 何が準備運動なものか。


 フレデリカは笑う。


「ほら、油断していると」


 あれは!

 

 巨大な悪魔のような手が──馬車の荷台5つ分の大きさの手が!


 空から落ちてきた。これは、「サルヴェイション・ハンド」か!


防御壁(ぼうぎょへき)!」


 私はすぐに唱えた。


 私の頭上に、傘のような防御壁(ぼうぎょへき)が出来上がる。


 ガシイイイッ


 サルヴェイション・ハンドと防御壁(ぼうぎょへき)が、ぶつかりあった。


「私とジェニファー戦を思い出せ。そんな防御壁(ぼうぎょへき)など、サルヴェイション・ハンドの前ではガラスの皿のようなもの」

「そうかしら?」


 私はサルヴェイション・ハンドを研究していた。


「グラヴィティ・メタレイア!」


 私は唱え──サルヴェイション・ハンドと防御壁(ぼうぎょへき)のぶつかり合いの下から、前転気味(ぜんてんぎみ)に逃げ出した。


 そして空中から、巨大な金属の岩が落ちてくる──。空中で、巨大な金属を精製(せいせい)する魔法だ!


 ゴオオオオッ


「な、なにいいいいっ?」


 フレデリカが声を上げた。


 ベキイイイイッ


 巨大な金属の岩はそのまま落ち、サルヴェイション・ハンドと防御壁(ぼうぎょへき)を、そのまま押し(つぶ)した。


「う、ぐっ……!」


 フレデリカは苦痛の表情で、左手の甲を押さえた。サルヴェイション・ハンドはフレデリカの手の神経と、少なからず(つな)がっていたようだ。


「お、お前……!」

(つぶ)れちゃったわね」


 私は巨大な金属の岩に押し(つぶ)された、巨大な魔法の手を、あわれんで見た。サルヴェイション・ハンドは、金属の岩の下でピクピク痙攣(けいれん)している。


「まったく恐ろしい……恐ろしい!」


 フレデリカはクスクス笑っている。


「恐ろしいヤツだ。ミレイア・ミレスタ……!」


 私は危険を察知した。


「ヴェルトウェル・フェノメーヌ!」


 すかさずフレデリカは、次の魔法を唱えた。

 

 フレデリカの周囲に、魔法の薄い紙きれでできた、小さい人形が集まりだしていた。


 これこそが東方の魔法──式神(しきがみ)というものか!

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