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第46話 ミレイアVSナターシャ①

 ゾーヤとフレデリカの激戦(げきせん)から5日後、世界学生魔法競技会、第2回戦が始まった。


 1回戦を勝ち上がったのは、


 Aブロック


 ミレイア・ミレスタ、ナターシャ・ドミトリー、ロザリンダ・イネマ、シルビア・マテナ・アジェ。


 Bブロック


 ガガモケ・ピコレ、ジョゼット・マレーカ、ジェニファー・ドミトリー、フレデリカ・レイリーン。


 ゾーヤはまだシャルロ王国の白魔法大学病院に入院中で、面会謝絶中。


 私は、エンジェミアの中規模競技場で、ナターシャ・ドミトリー……つまりジェニファーの姉と戦うことになった。



 私は舞台に上がった。ナギトは今日も助言者として、舞台横にいてくれる。


「待ってたよ、ミレイア」


 もうすでに、ナターシャ・ドミトリーは舞台に上がって、腕組みをしている。

 

 ナターシャは高身長、スタイル良し、銀髪。


 まるで雑誌モデルのようだ。


 ナターシャは口を開いた。


「あたしら、スコラ・エンジェミアの生徒だっつーの」

「それがどうかした? 私はスコラ・シャルロの学生です」


 私は言い返した。


「スコラ・シャルロ? ザコじゃん?」

「戦ってみれば分かるわ。その勘違(かんちが)いが」

「アッハッハー、勘違(かんちが)いだってさ、ムカつくー」


 ナターシャは手を叩いて笑っている。


 ドーン


 試合開始の太鼓(たいこ)が鳴った。それでもナターシャは口を開いた。


「あたしら、スコラ・エンジェミア所属だよ? エリートだ。スコラ・シャルロ所属? あんたたちが、あたしらに勝てるわけないっつー……」


 私は先手を取ることにした。すぐに聖女の杖を構え、雷魔法を撃ちだした。


 バーン!


 一瞬にして、天から雷魔法が、ナターシャに落ちた。……直撃。


 しかしナターシャは腕組みをしたまま、仁王立ちだ。体は雷に打たれたはずで、体から煙が立ち昇っていた。


 顔はニヤリと笑っていた。


「効かないんだよね、そういったクズみたいな魔法はさ。──おりゃっ」


 ナターシャは腕組みしたまま、右足を宙に蹴り上げた。


 ブオンッ


(うっ!)


 私は蹴りの風圧で、2メートル後退した。蹴りに魔力を込めたのか! 単なる蹴りの素振りで、この風圧?


 私があわてて前を向くと、目の前にはナターシャが待っていた。


魔導体術(まどうたいじゅつ)ってヤツなんだけどさー。受けてみ」


 ブン


 ナターシャが、上から拳を私に叩きつけてくる! 魔力を帯びたパンチだ!


 ガッシイイ


 私は右の手でそれを受けた。もちろん、手に魔力をかけて、防御した。


「へー、やるじゃん」


 ナターシャは言った。


「今のでフツーは、その右腕の骨、ぶっこわれているはずなんだけど。うまく魔法防御したじゃん」


 ドオオオッ


 競技場内に、「(あね)さん! がんばって」と声が響く。


 (あね)さん、とはナターシャのことだろう。スコラ・エンジェミアの女生徒たちの、黄色い声援だ。


(した)われているのね」


 私は言うと、ナターシャは笑った。


 私は後退し、素早く杖を振りかざした。


「グラビティ・ネブリナ!」

「なんそれ? 重力魔法? 今さらって感じじゃん」


 重力操作で、人間を上から押し(つぶ)す魔法だ。


 ギシギシギシッ


 ナターシャは腕組みをして、仁王立ちしている。しかし、上から重力がかかっているため、首だけが左に(かたむ)きはじめた。


「お、やべー」


 ナターシャは後ろに飛んで、重力魔法から脱した。


「やるね。マジで首の骨、ひねり(つぶ)されると思ったわ。あんなド素人でも使える魔法の威力(いりょく)を、ここまで高めるとはね」

「ええ……あなたにはそれくらいしないとね」

「じゃあ──体術でやるか」


 ナターシャは飛び上がり、空中から手刀を叩き落してきた。


 ブウンッ


(ここだっ)


 私はそれを()け、着地した彼女のあばら目がけて、杖を横に振り抜いた。


 ガシイイッ


 彼女は、私の魔力を込めた杖の一振りを、まともに受けた。


「ふん」


 私はあぜんとした。


 魔力がこもった杖を、あばらに叩きつけても、ナターシャは平然としていたからだ。


 どうなっているの?


「あたしさー、最強の防御力を身に付けているんだよね。効かないってそんなの」


 ナターシャは、(ほお)をポリポリかきながらそう言った。


 が、その時──舞台外から聞き覚えのある声がした。


「──何やってんだよ、アホ! ミレイア!」


 私が声がしたほうをチラリと見ると、舞台外には、車椅子に乗った、全身に包帯を巻かれた人間がいた!


「ミ、ミイラ!」


 私が驚いて叫ぶ。


「だれがミイラだ! ゾーヤだよ!」

「えっ!」


 まさか、ゾーヤ? 全身に包帯を巻かれた、車椅子の人物は、ゾーヤ・ランディッシュだ。先日、フレデリカの魔法で大怪我を負って、入院していた。


 何でこんなところに?


「あなた入院中でしょ!」


 私は声を上げたが、ゾーヤは、「入院が退屈だから、抜け出してきたんだよ!」と声を上げた。競技パートナーのランベールが、車椅子のゾーヤの後ろに立っている。


「何、よそ見してんだああっ」


 ナターシャは叫んで飛び上がり、またしても上から手刀を落としてきた。魔力がかけられた、手刀だ。


 ブオンッ


 私は2メートル飛んで後退し、手刀を()けた。風圧がすさまじい。肩にでも当たったら、骨折では済まないだろう。


「ミレイア! ナターシャを良く見ろ!」


 私はハッとして、ゾーヤの声に耳を傾けた。もう……ゾーヤったら、こんなところに来ちゃって……。


 ゾーヤは続けた。


「ヤツの完全防御の秘密──。ミレイア、あんたなら分かるはずだ。よく目をこらしてみな!」


 目をこらす──?


 私はピンときた。ナターシャの全身をじっと見ていると、薄い(まく)のような「気」が、全身を(おお)っているのに気付いた。黄色い光で(おお)われているのだ。


 そ、そうか! 「気」を出し続けて、こっちの攻撃を防御し続けていたのか! なんていう「気」の生成量(せいせいりょう)! 尋常(じんじょう)じゃない能力!


(それなら弱点は──?)


 私は発見した。ナターシャの「気」がない部分──それは!


 私は杖を振りかざした。


「アイスバーン・ドラゴネス!」


 ズババババッ


 私の放った氷の魔法が、舞台床を()い、ナターシャに襲い掛かる。


「ちっ、()けるまでもない」


 ナターシャはため息をついた。


「今さら、氷属性の魔法かよ。……ん?」


 ビキイイイッ


 何かが(こお)る音がした。


 ナターシャの右足が……(こお)りついていた。


「うっそだろ……! あたしの完全防御が……!」


 ナターシャは目を丸くして、自分の(こお)りついた右足を見ていた。

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