表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/64

第33話 世界学生魔法競技会、出場者決定!

 私──ミレイア・ミレスタは保養地オーマシェリの修学旅行から、シャルロ王国に帰ってきた。


 次の日、スコラ・シャルロに行くと、マデリーン校長に呼ばれた。


「ミレイア、あなたの世界学生魔法競技会の出場が、正式決定しました」


 マデリーン校長は校長室のソファに座ってそう言い、ポリポリとクッキーを食べ、紅茶を飲んだ。


「私は戦うのは得意ではありませんけど、出場するべきなんですよね?」


 私はそう言ってため息をついたが、マデリーン校長は背筋を正していった。


「この世界は、魔物に狙われています。何が起こるかわかりません。そのとき必要なのは、皆を指導する聖女です。あなたはこの世界の平和のために、自己を向上させなければならない」

「えっと、具体的には、まさか……」

「そうですよ。聖女の中の聖女、聖女王を目指す、ということです」


 聖女王を目指す? ちょっと想像できない。信じられないくらい高い目標だ。私はあまりにも、マデリーン校長の私に対する期待が高すぎると感じた。


「さて、他の出場者なんだけども……。魔法競技会協会から通知がきました」


 マデリーン校長は、1枚の紙きれを私に手渡した。嫌な予感がする。青いインクで、印刷された通知だ。




 世界学生魔法競技会出場者 トーナメント表(1回戦)


○Aブロック


・ミレイア・ミレスタ(スコラ・シャルロ1位 聖女コース) 

 VS 

・カロリーヌ・ランジェマルケ(スコラ・エクセン2位 魔法使いコース)


・ナターシャ・ドミトリー(スコラ・エンジェミア2位 聖女コース)注・前年優勝者    

 VS 

・ロデリア・スレイマーダ(スコラ・ビダーラン1位 魔法使いコース)


・コルネリ・マール(スコラ・エチェンナ1位 聖女コース) 

 VS 

・ロザリンダ・イネマ(スコラ・プレシトリッカ1位 魔法使いコース)


・サブリナ・オレ(スコラ・アダマーグ1位 聖女コース) 

 VS 

・シルビア・マナテ・アジェ(精霊界学生選抜1位 精霊女王候補)


○Bブロック


・ロッタ・マスティナ(スコラ・レミトシュティンク1位 聖女コース) 

 VS 

・ガガモケ・ピコレ(スコラ・アドブリゲ1位 錬金術師コース)


・ジョゼット・マレーカ(スコラ・エンジェミア3位 聖女コース) 

 VS 

・アイリーン・レネン(スコラ・ドスコルス1位 呪術師コース)


・ジェニファー・ドミトリー(スコラ・エクセン1位 聖女コース)注・現エクセン聖女 

 VS 

・ラーラ・ジェリフィン(スコラ・アダマーグ2位 聖女コース)


・ゾーヤ・ランディッシュ(スコラ・シャルロ2位 魔法使いコース) 

 VS 

・フレデリカ・レイリーン(スコラ・エンジェミア1位 聖女コース)注・現エンジェミア聖女 


 注・カッコ内の順位は、所属学校内のランキング

 



「うっわ……」


 私は声を上げた。ビダーラン、ドスコルス、アダマーグ、エンジェミアなど、超大国の聖女候補、魔法使い候補たちの名前が書かれている。



 そして私の対戦相手は?


「私の相手はカロリーヌ……スコラ・エクセン所属! 私はこの子を知らないですけど……呪術コース……? あっ、次の相手!」

「ナターシャ・ドミトリーね」

「ドミトリー……? 聞いたことがあるような」

「何を言ってるの。ジェニファーのお姉さんよ」

「えええええ?」


 私は思わず声を上げた。


「ジェニファーに姉がいたんですか? しかも、スコラ・エンジェミア所属! 前年度優勝者?」

「強敵ね。ジェニファーの姉のナターシャは、スコラ・エンジェミアのNO2。フレデリカの右腕といわれる存在よ。いきなり試練だわ」


 マデリーン校長が考え深げに言ったとき、私は気付いた。


「ジョゼットもいて……あ! ジェニファーがいる。姉妹が出ているのですか」

「ジェニファーはエクセン王国の聖女となり、エクセン王国勇者・聖女養成学校に再編入したわ」


 マデリーン校長の言葉に、私は驚きを隠せなかった。やはり噂は本当だった。


「ジェニファーが? 驚きです。彼女が聖女? でも、彼女は悪魔と契約していると感じました。それが聖女だなんて!」

「そうねぇ。ありえないことだけど、これも事情を探ってみましょう。しかし、あなたが最も気になるのは、この子のことでしょう?」


 マデリーン校長は、「フレデリカ」と書かれた部分を指差した。


「ええ。フレデリカ……私の旧友です。ゾーヤが出場することも驚いたけど、1回戦でフレデリカと対戦するんですね。──フレデリカのことは、校長先生はご存知なんですか?」

「名前は知ってるわ。彼女は、エンジェミア王国の聖女だから」

「ええっ? すでに聖女なんですか? あ、本当だ、そう書いてある……」


 私が声を上げると、マデリーン校長はうなずいた。


「そうよ。あなただって、エクセン王国の聖女でありつつ、学生だったでしょう。フレデリカも同じ状況だと思うわ」

「スコラ・エンジェミアって、よく分からない学校なのですが」


 私は腕組みした。


「世界の中心が、エンジェミア王国ということは知っています」

「スコラ・エンジェミアは最高の聖女養成学校として有名。でも謎が多いのよねえ。内部の情報が出てこないというか。関係者以外、立入禁止だし」


 マデリーン校長は、クッキーをポリッとかじりながら言った。


「でもね、実は今度、私はスコラ・エンジェミアに行く用事ができたの」

「ええ? そうなんですか?」

「フレデリカ本人が、私に会いたい、というのです」

「どうして?」

「私が、23、24、25年前の全世界魔法競技会の優勝者だからかな」


 マデリーン校長は、そう言って紅茶をすすった。私はあいた口がふさがらなかった。全世界魔法競技会というと、全世界の大人の術師たちが集まる、世界最高の大会だ。


(優勝者? しかも3連覇?)


 23~25年前というと、ずいぶん昔の話。知らなかった。マデリーン校長が、そんなにすごい人だったとは……。


「私のファンだから、ぜひ会いたいそうよ。それに、私は聖女協会の副会長なの。フレデリカもどうやら、聖女協会に入り、組織の一員になりたいらしいわ」

「わざわざマデリーン校長が、スコラ・エンジェミアに出向くのですか? 17歳の女の子のために?」

「私がスコラ・エンジェミアに興味があるからよ。だって、普通は絶対立入禁止なのよ。見学する機会を逃せないわ」


 私は落ち着かない気持ちだ。なぜかフレデリカのことを考えると、不安な気持ちになった。


「スコラ・エンジェミアに行くのは、気を付けたほうがよいと思います」

「あら、何を言ってるの」


 マデリーン校長はそう言って笑った。


「ミレイア、あなたも私と一緒に、スコラ・エンジェミアに行くのよ。許可はとれてるから。旧友のフレデリカと話をしてみたら?」


 へ? えええ?


 私も、スコラ・エンジェミアに行けるって?


 そして──フレデリカにもう一度会う……!


 私は心臓が高鳴った。


 しかし、不安のほうがなぜか強かった。

☆作者からのお知らせ


 このお話を読んで、「面白かった!」と思った方は、下の☆☆☆☆☆から、応援をしていただければうれしいです。


「面白かった」と思った方は☆を5つ


「まあ良かった」と思った方は☆を3つ


 つけていただければ、とてもありがたいです。


 また、ブックマークもいただけると、感謝の気持ちでいっぱいになります。


 これからも応援、よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ