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第30話 ついにフレデリカに会う

「わ、私、あなたが好きです! ミレイアさんっ!」

 

 い、いきなりの告白! しかもこんなかわいい女の子から? 中等部の子だろうか。


 私は驚きすぎて、ひっくり返りそうになった。


「きゅ、急に何を?」


 私は、その12歳か13歳くらいの女の子を見た。ツインテールの髪型がかわいい。


「スコラ・シャルロ魔法競技会──ジェニファーさんとの戦いを、生中継で観ました!」


 その子は言った。


「素晴らしい試合でした。ミレイアさんのファンになっちゃったんです。握手してくださいっ!」

「え? あ」


 な、なんだ。そういうことね……。


 私は握手に応じた。


 とにかく、私たちは広場から、訓練場に戻ることにした。



 私たちは訓練場に戻った。ゾーヤはまた温泉に入りにいき、ランベールは図書室を見て回るそうだ。


「良かったじゃねーか。告白されて」


 ナギトはニヤニヤしながらそう言った。私はナギトをジロリとにらみつけたが、女の子は言った。


「あ、申し遅れました。私はジョゼット・マレーカと申します」

「ジョゼットは、どこから来たの?」

「私は、エンジェミアからきました」

「えっ!」


 私は声を上げたが、ナギトも驚いたようだ。ナギトがジョゼットに聞いた。


「ほ、本当にエンジェミアから来たのか? じゃあ、スコラ・エンジェミアの生徒か?」

「はい、その通りです」


 ジョゼットはニコリと笑って言った。


 エンジェミア──聖女の中の聖女──聖女王の宮廷があり、世界の中心の国である。


 その国には、スコラ・エンジェミアという学校がある。


 世界最高の勇者・聖女養成学校といわれ、聖女王を100年のうち、4名も輩出している。単なる聖女ではない。聖女の中の聖女、聖女王をいく人も育てあげているのだ。


「ま、まさか、スコラ・エンジェミアの子が、ここに来るなんてなあ」


 もちろん、スコラ・エンジェミアは、小学部、中等部、高等部、大学まである。このかわいい少女が、スコラ・エンジェミアの生徒だといっても、なにもおかしくない。


 ナギトは興味深そうに、ジョゼットに聞いた。


「ジョゼットは何歳だ? 中等部?」

「私は、高等部所属です。今は13歳ですけど」

「ええっ? どういうことだ? 高等部だと、オレと同じじゃないか。高等部は普通、15歳からだろ」

「飛び級をして、13歳で高等部に入ったんです」

「え~っ? そ、そうなんだ」


 私はうなった。きっと、才能のある子なんだろう。


 その時……!

 

「ミレイアさん」


 えええ? ジョゼットはかわいい口を、そっと、私の耳に近づけた。


(なななな、なに、急に?)


「『フレデリカ』に気を付けて」

「えっ?」

「では、私は練習試合があるので、これで」


 ジョゼットは中年の女性がいるほうへ行ってしまった。中年女性は、スコラ・エンジェミアの先生だろう。


 ナギトは感心しながら言った。


「びっくりしたな。あんな超有名学校も、修学旅行にきてるなんてさ」

「ええ……そうね」

「あ、オレ、温泉に入ってくるわ。……お前も一緒にどうだ?」

「どつくわよ」


 私がナギトをにらんでそう言うと、ナギトはピューッと逃げてしまった。


 それにしても……ジョゼットと握手したとき、私は気付いた。何となく彼女の「恐れ」を感じたのだ。彼女は何に恐れているのだろう?


 彼女の言う、フレデリカって……私の旧友のフレデリカ? いや、考えすぎだ。


「──ジョゼットはかわいいだろう?」


 ハッ


 私はぎょっとした。いきなり私の左横に、気配が「出現」した?


「驚かせちゃったかな?」


 男子──いや、髪の毛の短い少女が立っている。年齢は私と同じくらいか。目が鋭い。彼女は私に挨拶(あいさつ)した。


「私はフレデリカ。フレデリカ・レイリーン。スコラ・エンジェミア所属だ」

「……フレデリカ」


 私はつぶやくように言った。この髪型、この声、この雰囲気。目の鋭さ。


 見覚えがある。


 そして決定的なのは名前だ。


 フレデリカ・レイリーン。この名前は……旧友の名前そのものだ。


 私は静かに挨拶(あいさつ)した。


「久しぶりね」


 旧友のフレデリカが、私の左隣に立っている。10歳の頃まで、いつも公園で、仲良く遊んでいたフレデリカが、すぐ横にいる。


 砂場でお城をつくったり、滑り台で一緒に遊んだりした。


 私は言った。


「私はミレイア・ミレスタよ。覚えてる?」

「ああ、分かってるよ。一緒に公園で遊んだな」


 フレデリカは笑った。そう、間違いなく旧友のフレデリカだった。でも、背が伸びているし、顔もあの頃より、大人になっている。──当たり前だけど。


 しかし、なぜだろう? この違和感は……。


 フレデリカは言った。


「驚いた。ミレイアがスコラ・シャルロにいると聞いたときは」

「フレデリカ、あなたこそ。エクセンからシャルロに引っ越したはずじゃないの? まさか、エンジェミアにいるなんて」

「ああ。シャルロから引っ越した。シャルロの学校は、私には合わなかった」


 フレデリカは言ったが、私は首を傾げた。


「どういうこと?」

「その話をする前に、見てみろ。我がスコラ・エンジェミアの強さを。さっきのジョゼットが、ほら──練習試合をするぞ。私のかわいい後輩だ」


 私はジョゼットを見て、驚いた。


 魔法訓練の舞台上にジョゼットが立っていたが、彼女の目の前には──。


(あ、あの女子生徒は!)


 1メートル80センチはある、体の大きい女子生徒だ。まるで男子のようだった。


 あの子は、新聞で見たことがある。超大国アダマーグの聖女候補だ! 最近のスコラ・マダマーグ魔法競技会でも、強力な魔法攻撃で、優勝したらしい。


「そう、スコラ・アダマーグのラーラ・ジェリフィンだ。世界学生魔法競技会の出場者でもある」


 フレデリカは言ったが、私は声を荒げた。


「この練習試合はダメよ! ジョゼットはまだ13歳でしょ! ラーラ・ジェリフィンは力強い魔法力の使い手らしいわ」

「そうだ。ラーラのこと、よく知っているじゃないか」


 ジョゼットの身長は約140センチくらい。しかし、ラーラは180センチ以上ある。体格はかなり魔法力に関係があるのだ。精神力も体力にかかわりがあるからだ。


「そもそも、高等部の生徒に、13歳の子がかなうはずがないじゃない!」


 私はフレデリカに(うった)えた。


「怪我じゃすまないわよ。危険だから、やめさせて!」

「フフッ。──ジョゼットが、どうして13歳で高等部にいるのか──?」


 フレデリカはクスクス笑いながら言った。


「この練習試合を観れば分かることだ。私のかわいい後輩、ジョゼットの恐ろしさがね」


 私は息をのんだ。


 ジョゼットとラーラの練習試合が始まろうとしている!

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