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第29話 私とナギト、手つなぎ練習試合?

 私──ミレイアと競技パートナーのナギト、そしてケンカをふっかけてきたファビオラとバンテスは、訓練場西広場に向かった。


 徒歩30秒、そこは大きな運動場だった。


 私たちの対決を聞きつけた生徒たちが、集まってくる。


「おい、あいつ」


 ナギトはファビオラのパートナー、バンテスを見ながら言った。


「2年A組のバンテス・デルボーンだ。勇者コースで、かなり強いぜ。A組では1番強い。粗削(あらけず)りだが、攻撃に突破力とっぱりょくがあるっつーか……」

「ふーん、そうなの」


 ナギトとバンテスは、自分の魔力模擬刀(まりょくもぎとう)を持っている。準備は万端(ばんたん)だ。


「始めるぜええええっ!」


 いきなりバンテスが、私たちに向かって走ってきた。(ねら)っているのは──私!


「女だからって、容赦(ようしゃ)しねえんだよ!」


 バンテスが、魔力模擬刀(まりょくもぎとう)を斬りつける。


 ガイイインッ


 するとナギトが、魔力模擬刀(まりょくもぎとう)を横にして、バンテスの攻撃を頭上で受けた。


 ナギトは危機を察知(さっち)し、素早く私の前に出てくれたのだ。


「ミレイア、下がってろ! はあああっ」


 ナギトは魔力模擬刀(まりょくもぎとう)を横にはらう。


 ブワッ


 バンテスはそれを()けた。


氷漬(こおりづ)けにしてやるよ!」


 バンテスの後方で待機していたファビオラが、杖を私に向かって振ってきた。


 スイカのような大きさの氷塊(ひょうかい)が、私に向かって飛んでくる。


 ガイン!


 私はファビオラの魔法を、防御壁ではね返す。


「バンテス先輩!」


 ファビオラが声を上げると、バンテスが応える。


「おおよ!」

 

 タッ


 ファビオラがバンテスの背中に駆け上がり、飛び上がった。


「サウザンド・クリュスタロス!」


 ファビオラの頭上──左上の空中から、さっきのようなスイカ大の氷塊(ひょうかい)が、連発で打ちだされた!


 速い!


 ズドドドドドッ


 その数──7つ!


「オレに(まか)せな!」


 ナギトがまた、私の前に出た。


 バキッ、バキッ、バキ!


 ナギトが魔力模擬刀(まりょくもぎとう)で、氷塊(ひょうかい)を連続で破壊していく。


 後1個──ナギトが破壊しそこねた。


 私にぶつかる!


 パシイイッ


「おおっとぉ……」


 ナギトは魔力模擬刀(まりょくもぎとう)を持っていない左手で、その氷塊(ひょうかい)(つか)んだ。


「オレのパートナーを傷つけたら、承知(しょうち)しねーぞ」


 ナギトはカッコつけてそう言っている。

 しかし……その左手は、凍傷(とうしょう)の一歩手前だ。


 ぎゅ


 私はナギトの左手を握った。


「しばらくこれで治癒(ちゆ)よ」

「お熱いねえ!」


 バンテスが飛び上がり、上から魔力模擬刀(まりょくもぎとう)を振り下ろしてきた。


 ブアッ


 今度は私の番!


 杖から空気圧を、バンテスの腹部めがけて打ちだした。


「な……げふっ」


 バンテスはカウンターで思いっきり、私の空気圧魔法を強打した。


「大丈夫かい!」


 ファビオラがあわてている。


「いくぞ!」

「ええ!」


 私たち2人は、手を繋いで飛び上がった。


「ツヴァイドラッヘ!」


 私は杖、ナギトは魔力模擬刀(まりょくもぎとう)を振り下ろす。


 私の杖と、ナギトの魔力模擬刀(まりょくもぎとう)から、雷を帯びた魔法の龍が2体、放たれる。

 2対の魔法の龍は、ファビオラに向かって一直線だ。


「う、うああああっ」


 ファビオラが声を上げる。


「あぶねえええっ! ファビオラァアアッ!」


 横っ飛びしてきたのは、バンテスだ。


 バリバリバリ


 そんな音がして、バンテスは2体の魔法の龍にぶち当たった。 

 

 ツヴァイドラッヘは、2名で打ちだせる有名な魔法だ。教科書にも載っている。


「う、うう……」


 バンテスは地面に寝転がった。


「バンテス先輩!」


 ファビオラがバンテスを抱き起こす。まだバンテスは多少、雷を帯びていたが、ファビオラはお構いなしだ。


 ファビオラは、私たちをにらみつけた。


「ち、ちくしょう! こ、今回は負けた!」


 ファビオラは叫んだ。


「ミレイア! 覚えてろ!」


 ファビオラはバンテスを起こすと、肩を組み、訓練場のほうに一緒に戻っていった。


「大丈夫かああ~!」


 代わりに、練習試合を見ていた野次馬の集まりから駆けつけてきたのは、ゾーヤだ。ランベールもいる。


「おっとぉ!」


 ゾーヤは私たちを見て、目を丸くしている。


「お、お前ら……あ、熱いな」


 ん?


 私は首を傾げた。が、ゾーヤが言っているいる意味が、すぐ分かった。


 私はナギトと、手を繋いでいたままだったのだ。忘れてた……。


「こ、これは違うわよ!」


 私は顔を真っ赤にして、ナギトから急いで手を離した。


 ナギトの左手の凍傷(とうしょう)は、治ったようだ。私が手をつないだとき、治癒(ちゆ)魔法をかけつづけていたからだ。


 ナギトは伸びをしながら、私に言った。


「お前、大胆なヤツだったんだな……。スケベなヤツ」

「ナギトに言われたくないっ!」

「まったく、ミレイアはやらしいヤツだなあ」

「言い方を変えただけでしょ! この恩知らず~! せっかく凍傷(とうしょう)を治してあげたのに」


 私がナギトをにらみつけると、ナギトは口笛を吹いてごまかした。

 すると……。


「あの~」


 ん? そのときだ。


 今度は私の左のほうから、聞き覚えのない女の子の声がした。


 私が警戒(けいかい)しながらそっちを見ると、かわいらしい女の子が立っていた。12歳か13歳くらいに見える。


 さっきの練習試合を見ていたのかな?

 

 そして彼女は、顔を真っ赤にして、叫んだ。


「わ、私、あなたが好きです! ミレイアさんっ!」


 は、はああああ~?

 

 い、いきなりの告白! しかも女の子から?


 私は驚きすぎて、ひっくり返りそうになった。


 ナギトも目を丸くしていた。

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