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第27話 私、世界学生魔法競技会に出場決定!

 スコラ・シャルロ魔法競技会決勝翌日。


 私──ミレイア・ミレスタは優勝し、スコラ・シャルロの生徒の前に立っている。


 朝の朝礼だ。


『見事な試合を見せてくれた、優勝者ミレイア・ミレスタに【祝福の万歳(ばんざい)三唱】をしよう!』


 教頭のボラージン先生が、魔導拡声器(まどうかくせいき)で声を上げた。60代の口ひげを生やした先生だ。


万歳(ばんざい)! 万歳(ばんざい)! バンザーイ!』


 ボラージン先生が声を上げると、生徒たちも喜んで万歳(ばんざい)をしている。


(盛り上がってるのね……)


 私はちょっと照れた。皆が私を見ている。


 ナギトやゾーヤ、ランベールも参加者として、生徒たちの前に一緒に立ち並んでいた。


 生徒のなかに、ジェニファーとゲオルグの姿はない。今日は休みか……。


『そして、ミレイアは世界学生魔法競技会の出場選手となった!』


 ドヨヨヨヨヨッ


 生徒たちが騒然となる。


「ほ、本当か?」

「うちの学校から? 創立以来、初めてじゃないか?」

「すごい……名誉あることだ」


 私は隣に立ち並んでいるナギトに聞いた。


「世界学生魔法競技会って何? スコラ・シャルロ魔法競技会と何がちがうの?」

「お前なぁ、何も知らねえんだな。シャルロ国民の、国民的行事だぞ」


 ナギトは呆れたように言うと、ランベールが説明してくれた。


「世界学生魔法競技会は、この世界のすべての学生から選抜(せんばつ)し、学生の最高の聖女、術師、魔法使いを決定する競技会なのだ」


 ランベールは説明してくれた。そして私を見やりながら言った。


「とても名誉なことだ……。我がスコラ・シャルロから、世界学生魔法競技会の選抜選手が出るとは」

「すげーじゃん、ミレイア!」


 ゾーヤも笑っている。なんだかすごいことなんだろうが、私にはまだよく理解できない。

 

 そしてボラージン先生が言った。


『また、ミレイアが世界学生魔法競技会に選抜されたことにより、我々は、【保養地区オーマシェリ】に修学旅行ができることになった』


 ドオオオオオオオオッ


 今日、一番盛り上がったのが、この言葉だった。


「すげえ! オーマシェリに修学旅行だって!」

「俺ら、なんて幸運なんだ?」

「メチャクチャ楽しみ~!」


 生徒たちの歓声が上がる。


『オーマシェリへの修学旅行は、7月20日から4泊5日だ。他校の生徒も同日に来るので、問題を起こさぬようにな』


 教頭先生はそう言いつつ、朝礼台を降りた。


「マジかぁ! 最高じゃん、オーマシェリに修学旅行なんてさ」


 ゾーヤが私の肩を抱き寄せたが、私はさっぱり理解できない。私が、「オーマシェリって何?」と首を傾げていると、ゾーヤが説明してくれた。


「オーマシェリは隣国シティンドにある。大統領とか政治家とか、大貴族、王族がよく行く場所なんだ。温泉や遊技場、カジノ、海、山、キャンプ場……本当に何でもある」

「へえ……すごいのね」

「一般人は絶対に入れないが、世界学生魔法競技会の参加者と、その学校の生徒は入れるってわけさ」


 ゾーヤはうれしそうに言った。

 私はずっと聖女の仕事ばかりしていたせいで、本当に世間知らずだ。


「修学旅行は、他の学校でも7月20日からと決められているらしいな」


 ナギトがつぶやいた。


「他の選抜者もオーマシェリに来るはずだ」

「え~?」


 ゾーヤは眉をひそめた。


「なんか危険な感じするなぁ……他の学校のヤツら」




 1ヶ月後、修学旅行当日──。


 私たちスコラ・シャルロの2年生は、中央都市のパルカサ駅のホームにいた。そこから汽車に乗って、オーマシェリに行く。1年生も一緒だ。全員で、約150名もいる。

 

 ちなみに3年生は、将来の進路を決める大事な期末テストがあり、9月に修学旅行、ということになった。


「なぁ、オーマシェリに着いたらさぁ」

 

 ゾーヤがうれしそうに私に言った。


「さっそく、一緒に温泉に入ろう!」

「いいわね」


 すると……。


「ねえ、あんた、ミレイア先輩って人だっけ?」


 後ろから女子の声がした。


「こないだの魔法競技会、優勝したんだって? あたし、試合は観てないけどさ」


 私が振り返ると、そこには髪の毛を真っ赤に染めた女子が立っていた。スカートは短く、制服を着崩していて、見るからに不良少女だ。2人の女子生徒を引き連れている。


「あたし、ファビオラ・マネカってんだけど~」


 彼女──ファビオラの制服のバッジを見ると、1ーAと刻印されている。1年生か。下級生だ。


「ミレイア先輩さ~、どんだけ強いの?」


 ファビオラはニヤニヤしながら、私をにらみつけた。目はつりあがっていて、いかにも意地悪そうな顔だ。


「私はケンカは好まないわ」


 私がきっぱり言うと、ファビオラはチッと舌打ちした。


「カワイコぶってんじゃねーよ! あ~、そういう人? あたしが一番ムカつく性格だわ」


 取り巻きの2名の下級生たちも、「そ、そうよ」とはやしたてた。


「おい、あんたら、やめろって。ミレイアが何したってんだよ」


 ゾーヤが間に入ってきた。

 そのときちょうど、汽車が駅のホームに来た。ファビオラはなおもつっかかる。


「ミレイア先輩、今度、術と魔法で勝負しましょうよ~。あたしが勝ったら、あんたはあたしのパシリってことで」

「それはムリね」


 私はあっさり言った。


「あなたでは私に勝つのはムリ」

「なに……この!」

「オラー! 何をさわいでいるんだ!」


 担任のグラーズン先生が私たちに注意した。


「はやく汽車に乗り込め!」

「はーい、わっかりましたー」


 ファビオラはそう言いつつ、さっさと汽車に乗ってしまった。

 ゾーヤは、「生意気な下級生もいるさ」と言った。


「そうね」


 私はため息をつきながら言った。


 そういえば、ジェニファーはどうしたんだろう? 修学旅行には来ていないようだ。ゲオルグもいない。


 私はそんなことを考えながら、保養地オーマシェリ行きの汽車に乗り込んだ。

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