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第25話 ミレイアVSジェニファー⑤

 魔法競技会決勝──。


 私はジェニファーのダークミロワールを脱出した。


 私とジェニファーは、再び舞台上で1対1で戦うことになった。


「ジェニファー……あなた」


 私はジェニファーの姿を見て、驚いた。真っ青な顔をしている。背中には悪魔のような透明な翼が生え、口には牙が生えている。


 この姿は、魔女王フリーダの生き写し!


 ジェニファーの姿は、まさに前世の魔女王とそっくりに変化していた。


「前世の借りを返す、というわけね。ジェニファー」


 私が言うと、ジェニファーは冷たく笑った、


「言っている意味が分からないわ。──私は勝負を捨てた」

「どういう意味?」

「試合の勝負を捨て、あんたを確実に仕留める、という意味よ」

「あなたこそ、言っていることが分からないわ、ジェニファー」


 その時!


 シュッ


 私の右横を何がかかすめた。


(痛ッ!)


 後ろを振り向くと、観客席の壁に、魔力で作られた矢が突き刺さっている。


 右腕がズキズキと痛む。


 恐らく、あの矢が私の右腕をかすめたのだ。右腕から血が出ている。


「ミレイア! ゲオルグの野郎だ」


 舞台の横で、ナギトが叫んだ。


(くっ)


 私の右腕に電撃が走る。


「見ろ、二階の北側だ! ゲオルグが、『魔力模擬弓(まりょくもぎきゅう)』を放った!」


 見ると、観客席の二階にゲオルグらしき人物がいた。そそくさと弓をしまい、どこかに逃げようとしている。彼が矢を放ったのだ!


 魔力模擬弓まりょくもぎきゅうは魔力競技会で、弓矢を武器とする場合に使用される。魔力で作り上げられた矢を放てるのだ。当たった箇所に電撃が走る。


 痛い!


 私の利き腕は電撃で、(しび)れてしまった。


「おい! 仲間の手出しは反則だろ!」


 ナギトが審判団に詰め寄る。しかし、審判団は、「戻りなさい」と逆にナギトを注意した。


「ジェニファーの仲間が弓を撃ったんだぞ!」

「証拠がない。それ以上、抗議すると、君を退場させるぞ。試合続行!」


 審判長は素知らぬ顔で、そう叫んだ。


 審判団は、完全にジェニファーの仲間?


「アハハハ」


 ジェニファーは笑っている。


「……審判を買収してるって、言ったでしょ?」

「そうだったわね」

策略(さくりゃく)も、戦略の1つよ、ミレイア! 勉強になったわね」


 ジェニファーはゴルバルの杖を天にかかげた。


「私の精神力をすべて使うわよ。言うなれば、最後の魔法!」

「受けて立つわ」


 私は右腕の(しび)れを感じながら言った。

 ジェニファーは叫んだ。


「ダークアイスバーン・テリオス!」


 完璧な闇の氷結魔法?


 前世のフリーダも使った、闇魔法──の進化版か!


 ゴオオオオオオオッ


 すさまじい音を立て、舞台が(こお)りついていく。


 そして上空には──。


 巨大な──まるで岩のような氷の(かたまり)が浮かんでいた。


「ミレイアを破壊せよ!」


 ジェニファーは声を上げ、杖を振り下ろした。


 ドオオオオオッ


 すさまじい勢いで、巨大氷塊(ひょうかい)が、私に向かって降下してくる!


「ドウールム・フォール!」


 私は素早く唱え、持っている聖女の杖を、魔法で「硬化(こうか)」させた。


 精神を()()まし、腕に魔力をため込み──。


 杖を構え、左ももを上げ、一本足で立った。


「ミレイア、吹き飛べぇえええっ!」


 ジェニファーが叫んでいる。


 ゴオオオオッ


 巨大な氷の(かたまり)は、私の手前まで接近! 右腕は(しび)れているけど、もう関係ないっ!


(ここだっ!)


 そのとき、私は杖を、横に思いっきりスイングした。


 ガッキイイイイイイイイン


 大きな音がした。

 私の硬化(こうか)した聖女の杖と、ジェニファーの氷塊(ひょうかい)がぶつかった。しかし、私は振り抜いた……。


「え」


 ……ジェニファーは目を丸くした。


 ジェニファーの放った氷の巨大な(かたまり)が、ジェニファーの頭上をすっ飛んでいった。


 私は、杖で岩のような巨大な氷塊(ひょうかい)を、打ち返したのだ!


 バーン!


 私が打ち返した氷の(かたまり)は、スタジアムの上空に飛んでいき、はじけ飛んだ。


「あ、が、な、何で……」


 ジェニファーは驚きの声を上げた。


「私の、ダークアイスバーン・テリオスを、つ、つ、杖で打ち返すなんて……。聞いたことがないわよおおっ! そんな魔法の使い方!」


 私は素早く、白魔法で腕の(しび)れを治癒(ちゆ)した。そして聖女の杖をかかげながら、言った。


「今度は、私の最後の魔法を受けなさい!」


 私は自分の持てる魔力を結集して、声を放った。


「スパイラリ・デンドロン!」


 グゴゴゴゴ


 低い音とともに、ジェニファーの足元から木が生えた。舞台の下の土から、石畳(いしだたみ)を突き破ったのだ。

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