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第24話 ミレイアVSジェニファー④

 私は元聖女のミレイア。


 ジェニファーの闇魔法「ダークミロワール」によって、闇の空間に取り込まれた。

 その空間の中で、前世を見ることになってしまった。


 前世の私の名前は、マイアだった。


 私は魔女王フリーダと対決し、聖剣グラーツレオンを手に取る──。


 その前に! 牽制(けんせい)魔法の一打だ!


「アストラペ・ライトニア!」


 私は素早く雷の魔法を、フリーダに放った。


 バーン!


 フリーダは油断したのか、魔法を全身に浴びた。


「うっ、ぐううぅ、こざかしい!」


 フリーダはよろめきながらも、()えた。


「やはり大聖女マイアよ、お前との一騎(いっき)打ちになると分かっていたぞ!」


 私はスキを見つけた!


「たあああっ!」


 私は高速移動の術で、彼女の目の前に移動。


「なにいっ?」


 魔女王は驚きの声を上げた。私は、聖剣グラーツレオンを、彼女の首に突きつける。


(あっ……!)


 私は……マイアの私は気付いてしまった。


 フリーダはジェニファーだ。ジェニファーの前世は、魔女王フリーダだったのだ! 顔も何となく似ている。


(まさか! この光景は、見たことがある!)


 直感で分かるのだ。魔女王フリーダは、ジェニファーと魂が一緒であると。


 私とジェニファーは、200年前から因縁があった……!


(ジェニファーが私を(にく)むわけは、このせいだったのか。200年前から、私たちは敵同士だったのだ!)


 フリーダは、玉座の後ろにヨロヨロと下がった。「魔女王の間」の後ろは、ベランダになっている。今の激しい戦闘によって、手すりが破壊されていた。


 ここは城の2階だが、ベランダの外は、(がけ)のようになっていた。城がちょうど谷の前にあるからだ。


(この魔女王フリーダが、我が祖国、ドールカイン王国の人間を殺せ、と魔物たちに命じたのだ。ドールカインの人口は、半分になってしまった)


 マイアの心の声が聞こえてくる。


 手すりのないベランダの下の谷は、瘴気(しょうき)がうごめいている。まるで魔界だ! 

 突き落とせば、フリーダは死ぬだろう。魔女王フリーダは、満身創痍(まんしんそうい)だ。


「言い残すことはない? 魔女王よ」


 私は聞いた。


「ふん、何もないね。なぜなら……マイアよ、お前のほうが死ぬからだ!」


 フリーダは私を蹴り飛ばした。私は3メートル吹っ飛ばされたが、すぐに顔を上げた。


 フリーダは杖を掲げている。あの杖は、伝説の魔の杖「ドラゴーネの杖」か? ゴルバルの杖の制作者の先祖が、作り上げた伝説の杖だ。


「ペッカト・オリジナーレ!」


 フリーダの闇魔法! 闇の光線が約10本、宙から降り注ぐ。その約10本の光線のうち、3本が、私に向かってくる!

 

 カンッ カンッ カンッ


 私は手に作り上げた魔法防御で、それをはね返した。


(あれは!)


 しかし私は空を見て、思わず声を上げた。


 上空には、あと30……いや、50本もの光線が、うごめいていたのだ。


 まるで、光るイソギンチャクだ。


(危ない!)


 光線が、まるで(やり)のように私に向かって降り注いだ! 


 ズドドドドドッ


「死んで地獄へ行け! 大聖女!」


 フリーダが高笑いしながら声を上げる。


「あはははは、あはは! 死んだ?」


 しかし──私は、結界で「ペッカト・オリジナーレ」を防いでいた。私は生きていた。


「な、なんだと!」


 フリーダは驚きの声を上げる。無傷の私が、立っているのを見たからだ。


 私は結界の防御壁(ぼうぎょへき)で、闇の光線をはねかえしたのだ。


 ふふっ、前世から、結界を張るのが得意だったとはね。


「さあ、聖剣グラーツレオンの波動を受けよ!」


 私は、聖剣グラーツレオンを振りかざした。


 光の波動がフリーダに向かっていく。


「うっ、うわあああああああっ!」


 フリーダが声を上げる。


 光が満ちた。

 

 私は──魔女王フリーダに勝った。前世の夢の中で……。


 ◇ ◇ ◇


「ねえ……ねえったら! 審判たちさぁ、そろそろ時間じゃないのぉ? 6分くらい経ってない? いつまで舞台上で座ってなきゃいけないのよ」


 ──どこからか、ジェニファーの不満気な声が聞こえる。


「ミレイアが7分、『ダークミロワール』から出られなかった場合、私の勝ちのはずでしょ」

『は、はい! 制限時間の7分まで、あと30秒です。では、カウントします! 30……29……28……』


 審判長が、魔導拡声器(まどうかくせいき)で、カウントを始めている。

 ええっと……確か……私はジェニファーの闇魔法「ダークミロワール」の中に閉じこめられて……。


 そうか! 今は魔法競技会の決勝の最中だった!


『14……13……12……11……』


 カウントが進む。


 周囲は鏡の部屋。私は闇魔法ダークミロワールが作り上げた、空間の内部にいるのだ。


「楽勝だったわね!」


 ジェニファーの声が聞こえた。


(出なければ!)


 私は完全に目が覚めた。すると──。


 ガッシャアアアアアン


 ガラスが割れるような音がした。


 さっきまで目の前は、半透明の壁があった。しかし今は、外のスタジアムの風景が、あらわになっている! 壁が無くなったのだ。周囲の鏡も、破壊されていた。


「何? 何が起こったの?」


 ジェニファーの声が聞こえた。


 そうか……。私は前世を体験し、魔女王フリーダに勝利した。そして私の心の光が、闇の空間──すなわちジェニファーの「ダークミロワール」を打ち破ったのだ。


(いまだ!)


 私はダークミロワールの空間から飛び出し──。


 スタッ


 舞台に降り立った。


 ドオオオオオッ


「ミレイアが戻ってきたああ!」

「すげえ」

「ジェニファーの闇魔法を打ち破ったぞ!」


 観客が声を上げる。


 私は6分56秒で、……あと4秒で負ける直前に、ダークミロワール内部から戻ったのだ。


「な、何てこと?」


 ジェニファーは驚きの声を上げた。


「わ、私のダークミロワールを破る人間が存在するなんて……」

「勝たせていただくわ」

 

 私はジェニファーに言った。


「元魔女王のジェニファーさん」

「は?」

 

 ジェニファーは首を傾げながら、ゴルバルの杖を構えた。


 試合は終わりに近づいてきている。

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