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第22話 ミレイアVSジェニファー②

 魔法競技会決勝戦が続いている。


 私──ミレイアは、光の縄の魔法「ルーチェン・アットラペ」で、ジェニファーを捕獲(ほかく)した。


「たすけて……たすけ……て」


 ジェニファーは光の縄でぐるぐる巻きにされ、うめいている。


 しかし私は、嫌な予感がして仕方なかった。


「フフフッ……」


 ジェニファーは、クルリと苦痛の表情を変えた。


「ここまでコケにされたのは、人生で初めてだわ。ゲオルグとの出会いに感謝するしかないようね」


 ばっさああああ


 そんな音がした。翼が羽ばたく音?


(あれは!)


 光の縄でぐるぐる巻きにされた、ジェニファーの背中の部分から、不気味な翼が飛びだしていた。


 闇の光でできた、不気味な翼だ。まるで悪魔の翼のように、真っ黒い。ジェニファーが着ているローブも、光の縄も突き抜け、ジェニファーの背中から生えているのだ。あの翼は、物質として存在しているのか? 幻なのか? 奇妙な光景だ……。


「ジェニファー……あなた」


 私がそう言ったとき、ジェニファーの顔を見て驚いた。口には牙が……コウモリのような牙が生えていたからだ。


「ジェニファー! あなた、悪魔に魂を売ったわね!」

「……さあ、どうかしら」


 ジェニファーが笑った途端(とたん)、ジェニファーをしばっている光の縄が、四方八方に飛び散った。……ジェニファーが、私の光の縄の魔法を、破った。破壊したのだ。


「死ねええええっ!」


 ジェニファーはゴルバルの杖を片手に、私に向かって走り込んできた。私は、魔法を唱える(ひま)がなかった。


 ジェニファーはゴルバルの杖を振り下ろす。


 ガキイイッ


 私は自分の聖女の杖で、ゴルバルの杖での攻撃を防いだ……。


 まさか、肉弾戦(にくだんせん)


「ミレイアッ! ジェニファーの動きに気を付けろ!」


 ナギトが声を上げた。


 その時はもう、遅かった。


 私の右肩に痛みが走っていた。


 肩口から、血が! まるで刃物で斬られたように、鮮血が飛び出している。


 ジェニファーは大きく飛んで後退する。


 まるで悪魔のような表情。背中には悪魔のような翼を生やしている。


 そしてまた!


 シュバアアアッ


 今度は、私の足めがけて、ゴルバルの杖を横に振る!


 ガキイイッ


 またしても、私の聖女の杖と、ゴルバルの杖が大きな音を立てて重なり合う。


 見ると、ゴルバルの杖の先端──石突(いしづき)の部分から、長さ7センチくらいの刃物が飛び出していた。


 聖女の杖で防がなかったら、(もも)が切り裂かれていた!


「仕込み杖だ!」


 ナギトが叫んだ。


「刃物の使用は反則だぞ! 審判っ!」


 舞台横に座っている、審判団は、顔を見合わせている。ジェニファーに何か注意をする動きはなさそうだ。


「反則にはならないわよ」


 ジェニファーはゴルバルの杖の先端の刃物を、コツコツ地面につついて収納(しゅうのう)した。


「審判団を買収してあるからね……正直言っちゃうと」

「ジェニファー……!」


 私は杖を構えた。


「エクスプロジオン!」


 バーン!

 

 私は、ジェニファーの足元に、すさまじい爆発を起こした。


「う、ぐっ!」


 ジェニファーは吹っ飛び、尻もちをついている。


 地面に(ひざ)を強く打ったようだ。(ひざ)に手を当てて、顔をしかめている。


「正確ね」


 ジェニファーは悔しそうに言った。


「そんな爆発魔法なんて、たいして効かないわ。だけど、あんたの魔法はブレがない。ミレイア……危険な女ね、あんた」


 ジェニファーは(ひざ)をおさえながら、立ち上がった。


「ジェニファー」


 私は言った。


「悪魔にとり()かれているわね」

「だから何?」

「最悪じゃない」

「あんたに勝つためなら、何だってするわよ」


 ジェニファーはゴルバルの杖を、頭上にかかげた。


「私の最高の魔法、受けてみよ! ──ダークミロワール!」


 ジェニファーの頭上に、大きな闇の(うず)が現れた。


 な、何? こんな魔法、私も見たことがない! そうか、闇の魔法か! 


 ゴゴゴゴ……。


 鈍い音が、周囲に響き渡る。


 闇の(うず)は、ジェニファーの頭上に現われている。


 その大きさ──、エクセン城の城門より一回りでかい。


 直径5メートルの、円形の(うず)


「こ、これは」


 (うず)が、私を吸い込もうとしている。すさまじい風だ!


 私は吸い込まれるのをこらえている。しかし、体が少しずつ(うず)のほうに、ちょっとずつ引きつけられているのだ。


「グラビティ・ネブリナ!」


 私は唱えた。


 重力の魔法を自分にかけることによって、足を地面に張りつけた!


 しかし、このダークミロワールという謎の魔法には、そんな重力作用は効果がなかった。


 ど、どんどん私は、(うず)に引きつけられる。


「さあて」


 ジェニファーが(すず)しい顔をして笑っている。


「さっさと『ダークミロワール』の中に入っておしまいなさい。そうすれば、闇の世界で一生暮らせるわよ」


 ジェニファー! な、なんて怖ろしい魔法を!


 ズズズズ……。


「あっ」


 私は足のふんばりがきかなくなった。力がもたなくなったのだ。


 真正面の(うず)は、いつの間にか、長方形の巨大な鏡に変化している!


 鏡面は闇色だ……!


 ふわり、と体が浮いて──私は鏡の中に入ってしまった。


「一生出てくるな! 闇の鏡の世界で遊んでろ!」


 ジェニファーの高笑いが聞こえる。


 ダークミロワール内部は、闇色に包まれている空間だった。


 しかし私は冷静だ。


 ……私はこのダークミロワールを打ち破る! そう確信していた。

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