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 朝起きて、体を動かし、身支度を整える。

いつもと変わらない日常。だけど、昨日の事がある以上、私の心はいつも通りではいられない。


「朝からどうしたの?」

「お姉ちゃん、私、どうすれば良かったのかな」


私は昨日あった事を全てお姉ちゃんに話した。


「そっか。おいでセレス」


私はお姉ちゃんの胸に頭を預ける。


「よしよし。セレスがそんなに抱え込む必要ないよ。仕方のないことなのだから」

「でも、私が女だって話せば良かったのかなって」

「それはそれで、新たな問題が出てくると思うよ。今回こうなるのは決まっていた事なんだよ。セレスが男装をしている以上、こういう事は起こる。そういうのも承知の上だったんじゃないの?」

「それは、そうだけど……」

「セレスはどうしてほしいの?」

「え?」

「わざわざお姉ちゃんのところにきたって事は、何かしてほしかったんでしょ。一つだけ言っておくけど、もしこれからどうしたらいいのかって質問なら、そのままでいなさいとしか言えない。

変に関わったら、それこそセレスとシャルト様の間にどうしようもない亀裂が走る。今の状態なら、前のようにとはいかないけれど、見知った貴族くらいにはなれるはず」


分かってる。分かってるけど、どうにかしなきゃと思っている。何故だろう。

別に私はシャルト様とそこまで仲が良いと思ってない。関係を絶ってもなんの問題もない。

だけど、どうにかしないと。と、強く思ってしまう。

そう思ってしまうほど、あの目は強かった。


でも、お姉ちゃんの言う通り、何もしないのが最善策。

お姉ちゃんの後押しもあるおかげか、さっきよりは心が落ち着いた気がする。


「うん、そうだね。ありがとうお姉ちゃん。あ、あとさ」

「うん」

「……やっぱりいいや」

「え、なにそれ! 気になるよ!」

「えっと、じゃあ、私ってパールのこと好きなように見える?」


お姉ちゃんは少し考え、頷いた。


「セレスが女性って知らなければ、そう思うでしょうね。知っていてもそう思うのだから」

「どうして?」

「どうしてかって聞かれると上手く答えられないけど、強いていうなら雰囲気かな」

「対応云々じゃなくて?」

「それだったらシャルト様にも当てはまるでしょ。それより、早く行かないと遅刻するよ。ほら、かばん持って。行くよ」

「あ、うん」


雰囲気か……。別にそんな感じ出てないはずだけど。


◇◆◇◆◇


 クラスに入ると、スカーレットが珍しく上機嫌だった。


「あらセレス、おはよう」

「おはよう……。どうしたの? 気持ち悪いくらい機嫌良いよ」

「何よ失礼ね。昨日私とアッシュ様で出かけたのは知っているでしょう」

「うん、まあ」

「初めて彼から話してくれたのよ」


あいつ、今まで自分から話したことなかったのかよ。もう驚きすらないけど何度聞いても呆れるわ。


「よかったね」

「ええ。ありがとう、セレス」

「え、なんで私?」

「私が気づかないとでも思ったの? あなたの入れ知恵でしょう。何年一緒にいると思っているのよ」


あーあ、スカーレットには敵わないや。


「でも、自分から話せとは言ってないよ。むかつくけど、それはあいつの意思だよ」

「本当かしら?」


スカーレットはニヤついた笑顔を見せる。スカーレットの笑顔が見れて嬉しい反面、この笑顔はクズによって引き出されたものだと思うと納得いかない。


それにもうすぐスカーレットの断罪時期。スカーレットは正式にクズや兄妹に見放された事により、酷く憔悴してしまう。おそらく、私はその事を無意識にシャルト様にも結びつけていたのだろう。だから、先ほどまで胸騒ぎがしていたのだろう。だって、スカーレットがいる今はなんともないのだから。

遅くなってすみません。週一は必ず投稿するようにします。

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