第1章 目覚め
朝。鳥の鳴き声と共に目が覚める。
ふかふかのベッド。ふかふか?ベッド?私は昨日帰って風呂入って、飯も食わずにソファで寝落ちし……そうだ、転生したんだった。
目が覚めるような金髪。寝起きの目には朝日が反射してとても眩しい。しかも完全な金髪というよりすこし銀混じり。ここは格好良くプラチナブロンドと呼んでおこう。そしてピジョンブラッドと呼ばれる赤い目。真っ赤な血の色……とでも表現すればいいんだろうか。本当に赤い。めっっっちゃ赤い。(大切な事なので2回)
しかもこのキャラこの容姿のおかげて家族とか使用人からそこそこ冷たく当たられてるって設定。兄ちゃん…である第一王子も王様も金髪碧眼。王妃さまは明るい茶色に深い青の目で可愛い。あ、母である第二王妃は銀髪に赤目。超美人。顔面偏差値だけは無駄に高い。誰もいなかったら多分鏡に見惚れるもん。
見た目が原因でイジメられてたからちょっと病んでる儚げ美人。でも周囲の人間を憎んでて魔王になっちゃうのがこのキャラ。ベタですね。
レクシア・フォン・アルメイア・リッツァー。名前長い。ファンの通称はシア君とかだったな。(うろ覚え)これは家族間でしか呼ばれない愛称なんだよね。ヒロインちゃんは仲良くなると呼ばせて貰えるタイプのヤツ。
本名長いし『シア』って呼んでおこう。
シアは光属性以外の全てに適正があり、尚且つ最も強く上手く扱えるのが闇属性。時点が炎。ゲーム内では1週目で魔王化したシアをフルボッコにする事で2週目で攻略する事が出来る様になる。そうして攻略する事で3週目からは一定の条件を満たす事でパーティーメンバーの一員として選択が可能になる。高火力魔法アタッカーとして愛用させていただきました。
悪役令嬢の名前は…なんだっけ。筆頭公爵家の一人娘で遠縁の義弟(これも攻略対象の一人)がいる。
ヒロインはなんかピンク髪のフワフワした平民上がりの男爵家の子。主人公についてはそんなに興味なかったから余り知識が無い。ただ知識が無いと言っても他のキャラに比べての話だ。公式の設定資料集はガッツリ読み込んでいたのでただゲームをプレイした人に比べれば知識はある筈だ。
貴族社会については詳しくない。やらかしつつ攻略対象どもの庇護欲をうまく掻き立て断罪イベント。結婚。ハッピーエンド♡の順番。ベタですね!
……それにしてもメイド来るの遅くない?もう8時半回るよ?流石に朝食に出ないと怒られる気がする。でも勝手にでたらそれはそれで怒られ……二度寝しようそうしよう。怒られたら最後までしっかりお説教食らって、その上でメイドの事を報告しよう。怒ってる人は下手に刺激してはいけない。ブラック企業で得た学び。こんな事考えて行動するような少年にはなりたくなかった。
今シアくんは7歳だぞ。記憶の中の設定資料集の情報が正しければ7歳時のお兄ちゃんである第一王子サマは9歳になった筈。歳の差は2歳。兄弟仲は絶妙に悪そう。当人たちは仲良くしたいけど周りのお偉方がそれを許さない、といった状態だろう。
まあ良い。今はもう一度寝よう。起きたら各攻略対象達の詳細かつ綿密な設定とトラウマ、そしてルート分岐の条件とタイミングについてのメモ。ついでにストーリーと主人公と自分の攻略者についての記憶を整理して、またメモ。出来るだけの情報を書き出してやるべき事を纏めてみようか。
そんな面倒な事に関係なくベッドは相変わらずふかふかですな。これこそ至福。とりあえず今は未来の自分に色々と託して寝ることにした。




