4話
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なんだかんだで新学期1日目の放課後になった。和葉の機嫌もなんとか直り、憂いなく帰れると浮き足立って和葉に一緒に帰ろうと声をかけたが。
「私は今日弓道の稽古があって伯母が迎えに来るから無理よ」
バッサリフラれた。ちなみに和葉の母方の家が弓道の家元で伯母さんが家を継ぐとかなんとか。和葉のお母さんも家元の出ということで弓道をしているので、その流れで和葉も弓道をやっている。以前練習しているところを見たいとついて行った際に見た、袴姿で弓を引く和葉がこれまた凛としていて美しいのなんの…!!……はっ!ついつい和葉の美しい姿を思い出して思考がフライングアウェイするところだったわ。危ない危ない。
「そ、そっか…。る、るいちゃんはどう…?」
取り繕いながら累を見上げる。
「ご、ごめん。なんかもう迎えに来てるみたいで…。おれ自身にはなんの予定もなかったはずなんだけど…」
スマホ片手に遠い目をして呟く累。
累は予告なく親族の誰かが迎えに来てるという事がちょくちょくある。主に孫大好きなおおらかマイペースな祖父母とか祖父母とか祖父母とか。ちなみに事前連絡がなかったために父方母方のダブルブッキングを起こし、ちょっとした修羅場になったこともあるらしい。愛が重い。
「…それはしょうがないねぇ…」
「…なんかごめん…」
しみじみと呟いた私に対し、脱力気味に謝る累であった。
私たちは3人で無言で校門まで一緒に歩いた。
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すでに校門前で孫が来るのを今か今かと待ちわびていた車に、「じゃあ、また明日」と言いながら乗り込む累。運転席にはイケメンな面影を残したナイスミドル、後部座席には上品な微笑みを浮かべた美魔女が乗車していた。
運転席のナイスミドルは目礼を、後部座席の美魔女は累に「おかえりなさい」と声をかけ、こちらに向き直り軽く会釈をくれた。相変わらずな上品さと年齢不詳さの累の祖父母である。こちらも2人揃って軽く会釈をする。
…なんかお貴族様達のお見送りをしている様な気分になるな、なんて思っていると和葉の伯母さんの車も来て「気をつけて帰りなさいよ」と声を投げかけて和葉も車に乗り込んでいった。
和葉の乗った車に軽くてを振りつつ、この後どうしようかなとひとり思うのであった。
キリがいい感じになってしまったので今回はここまでです。