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心の価値は  作者: 犬好きのおじさん
12/23

第11話

主人公視点

昨日は中々の濃い1日だった。

入学式の後の恐怖の近藤先生。

更なる恐怖の荒井先生に能力解析してもらっている途中の突然のトラブル。

ぶっ倒れる俺。

目が覚めたら超良い香りの荒井先生。

教室に戻り、近藤先生と寮に向かう途中に聞いた、荒井先生の話。

気付くとそこに居て、自分の話をしていた近藤先生と、それを聞く俺を笑顔で威圧する荒井先生。

自室に行くと、おやすみ3秒の同室相手、一条雅也と出逢い。

食堂に行けば、うまい飯と豊田美雪先輩のドヤ顔。



濃い。

ここは間違いなく濃い。

体力よりも精神がゴリゴリ削られる。

そうか。

これも能力の為の鍛練なのだろう。



んな訳あるか。



新しい場所に身を置く時は、まずその場所の空気と流れに身を任せ、決して抗わないこと。

抗いたいなら、その為の準備をしてからだ。

準備前に心が悲鳴をあげたときは、真っ先に逃げ出しなさい。



中学に上がる時に、父さんから言われた言葉。

妹のやつも言われていたな。

確かに濃い1日ではあったけど、嫌ではなかった。

心も悲鳴をあげていない。

なら、とりあえず身を任せよう。

なんだ、全然大丈夫だ。



2日目。

教室に入り、昨日と同様空いている席を探す。



「お!おはようさん!!昨日は盛大にぶっ倒れたけど、大丈夫そうだな!!」



眩しいっ!!

この眩しさは間違いなく佐久間君に違いない!



「お、おはよう。佐久間君。」


「どうした?まだ具合悪いか?無理すんなよ!先生に言い辛かったら、俺に言えよな!」



だから笑顔が眩しいっつーの!!

佐久間君の能力か!?

無駄に眩しい笑顔しやがって!!



「…ありがとう。具合はもう大丈夫だよ。みんなにも迷惑かけちゃったかな。」


「おいおい、そんな事で迷惑言う奴は、机が1ミリずれてるだけで文句言う奴だから、放っておけ!俺が5センチずらしてやるからさ!」



サムズアップはダメだよおおおお!!

眩しすぎて目の前真っ白じゃないか!!



「本当、ありがとう。佐久間君は優しいね。」


「優しいかはわからないけど、5センチずらしておくからよ!!」



こだわりが強い。



そうこうしている内に、近藤先生が教室に入ってくる。

それを合図にガタガタッと一斉に起立すると、昨日の事があってか、教室内の空気が張り詰められる。



「おはよう。」


「「「おはようございます!!」」」



生徒達の朝の挨拶に、教壇に付いた近藤先生は満足そうに笑みを浮かべる。



「昨日は眠れたか?施設については追々慣れてくれ。今日から授業が始まるからな。午前中は座学による学科、午後は訓練を含めた実施学習となる。俺は午後の担当だから、楽しみにしててくれよ。」



楽しみになれそうもない笑顔を向けられると、そこかしこから苦笑いが聞こえる。



午前は普通の高校生としての教科別授業、午後は体育になるのか?

訓練がどの程度含まれているのか?

何より楽しみになれそうもない笑顔を見ると、嫌な予感しかしないな…。



通常の教科別授業は、そこまでハイレベルなものではなさそうだ。

ただし、英語と数学に関しては元々苦手科目だったので、油断していると置いていかれそうだ。

特に数学は関数、英語は文法が絶望的な為、ここでしっかり学び直そうと、頼りない決意をする。



…………………………………………………



午前中の授業が終わり食堂へ向かい、今日のメニューを確認する。



A定食:青椒肉絲(チンジャオロースー)定食

B定食:白身魚のフライ定食

C定食:サラダスパゲッティのセット



あぁ…どれも美味そうじゃないか…。

どれにしようか悩んでいると、後ろから俺を飛び越えて注文される。



「私はC定食をお願いしますわ。」


「あいよっ。ちょっと待っててね。」



自分より後ろの人に注文され、多少ムッとしながら振り向くと、栗毛のウェーブがかったロングヘアーの生徒がいた。



「あ、豊田先輩…」


「まぁ!美雪と呼んでとお願いしましたのに!」



昨日のドヤ顔先輩だった。



「誠さん、早く頼まないと後ろの方々を待たせてしまいますわよ?」


「あ、すみません…。A定食をお願いします。」


「はい、A定食だね。ちょっと待っててね!」



食堂の女性は、その後も忙しく注文を取り続ける。

食事を受け取る場所はすぐ隣だが、誰が何を注文したかを完璧に把握し渡していく。



「はいよ、C定食とA定食ね!あんた達、一緒なんだろ?ちゃんと噛んで食べるんだよ!」


「はい。いつもありがとうございますわ。」


「あ、はい。いただきます。」



慌てて食事を受けとると、なぜか先輩とセットにされた。

近くの空いている席が二人席の為、自然とそこに吸い込まれる。



「まさか誠さんと、ご一緒になるとは思いませんでしたわ!これも運命ですわね!」


「運命かどうかはわかりませんが、お声をかけていただき、ありがとうございます。」


「まぁ!なんて他人行儀ですの!?昨夜はあんなに優しくしていただきましたのに…」



だめええええええ!!!

そういう勘違いされる事言うのだめ!!

ほら!

若干何名かこちらを変な目で見てるから!!



「あの、先輩?」


「確かに、昨日は私も初めてでしたわ。色々と勇気を出したのですが…私、空回りをしてしまいましたわ…。」



待てぇええええええ!!

いちいち台詞がアウト過ぎる!!!

晩飯食っただけだろうが!!

…ほら!なんだかヒソヒソ聞こえてきたぞ!!

ちょ、待てよ!!!



「せ、先輩!」


「…私、舞い上がってましたの。誠さんに逢えて、きっとこれは運命なんだと。誠さんの迷惑も考えずに…。」



頼む!止めてくれ!

俺のライフはゼロよ!!



「…昨夜の事は忘れますわ。私の心の奥にしまっておきます。それでも私は満足ですわ。ご迷惑をかけて、申し訳ありませんの…」



周りの人達のヒソヒソ話がヤバい。

そもそもヒソヒソしていない。

男の風上にも置けないとか、俺の豊田さんをとか色々聞こえてくるが



「昨日!たまたま!!一緒に飯!!食っただけだろうがあああああ!!!!」

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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