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映画館での出会いは -瀬尾優梨様へのプレゼントー

 私はいま、映画館にいる。座席券を片手に座る席の場所を探していた。席を見つけた私は座席に座った。私の席の両隣はまだ空いているから、なんか落ち着かない。


 フウ~と息を吐き出した私は、本当ならここに来るのは私じゃなくて親友なのにと思いながら、映画が始まるのを待っていた。


 親友から今朝、突然に電話が来た。お互いに忙しくてこの三カ月ほど会っていなかった。電話の内容は『映画のチケットを購入したけど、急に出掛けなければならなくなった。チケットを無駄にしたくないから、かわりに行って』というものだった。


 最初は断ろうと思ったけど、作品名をきいて気が変わった。


 いそいそと支度をし、待ち合わせの駅前でチケットを受け取った。チケット代を渡そうとしたけど、『急に頼んだからいい』と言い、彼女は急ぎ足で離れていったのだ。暫し呆然とした私は、その背中に「今度何か驕るね」と声をかけたのだった。


 先に買ったパンフレットを見ていたら、隣に人が来た。見ると男の人。それも一人みたいだった。


 一瞬珍しいなと思ったけど、自分が一人なのを思い出して、珍しくなかったなと軽く反省した。


 映画はいわゆる王道ファンタジー。実写化すると聞いて観るのをどうしようかと思っていた物。原作が好きすぎて、イメージが壊れてしまうのではないかと危惧していたのだ。だけど、イメージ重視のキャスティングで、CMでも好印象を持った。


 観に行こうかと考えていたけど、私はほんらい出不精だ。出掛けるきっかけがないと出掛けたくない人種なの。なので、DVDが出てから借りようと思っていたのよ。


 映画は前評判通り、いや、それ以上だった。あの世界観そのままの映像に見惚れ、イメージ通りの登場人物たちに内心キャーキャーと悶えていた。


 そして、中盤の泣かせるシーン。情緒たっぷりに繰り広げられる、別れのシーン。原作を読み返してはそこで泣いてしまったところ。ハンカチを握りしめて、目を潤ませていたら。


 グスッ ガサゴソ


 隣から聞こえる鼻をすする音と、何かを探す気配。せっかくのシーンを邪魔されて、横目に睨みつけてあ然とした。隣の男の人は涙をぽろぽろ流しながら、ポケットの中に手を入れていた。


 ハンカチを探しているのだろうけど、見つからないみたいだ。


 私はバックからティッシュを取り出すと、隣に差し出した。受け取る気配がないので「どうぞ」と小声で言って、押し付けた。


「・・・ありがとう」


 涙声でお礼を言われた。


 エンドロールが終わるまでしっかり見て、私は満足の溜め息を吐き出した。これは親友に感謝しなくては。映画館の大画面でないと、この雄大さは伝わらなかっただろう。


 立ち上がって歩き出そうとしたら「あの~」と声を掛けられた。隣に座っていた男の人だった。


「本当にありがとうございました」


 ともう一度お礼を言われた。


「いえ、お礼を言われるほどのことではないですから」

「あっ、待ってください」


 そう言って離れようとした私に再度引き留める彼。


「え~と、こんな事云うのはなんなのですけど、このあと時間があるのでしたら、少し付き合ってくれませんか」

「はあ~?」


 不審な声を出した私に、男の人はなおも言った。


「あの、本当にこんなことをお願いするのは申し訳ないのですけど、こんな状態で一人で店に入って食事をする勇気がなくて・・・」


 そう言った男の人の顔は思いっ切り泣いていたから、目は充血して真っ赤だし、目は腫れぼったいし、鼻の頭も赤いしで、泣いたことが一目遼前だった。事情を知らない人が見たら、彼女に振られたとでも思われそうだ。


「プッ」


 想像して吹き出してしまった。男の人は私が何を想像したのかわかったみたいで、頬までも赤くしていた。


 肩の力が抜けた私は言った。


「いいですよ」


 私の言葉に彼は嬉しそうに破顔した。


 これが私と彼との出会いでした。


アウ~・・・

私の中では4番目につき合いが長いお気にいり様。

いいえ。私が交際を迫って仲良くさせていただいている方です(笑)

彼女の作品が気に入って、次の作品でツボって、そこからその作品の応援団長宣言をしたのよ(あれ?その次の作品だったかな?)

それぐらい好きな作者様なのに、誕生日を聞くのが遅れて、聞いた時にはもう過ぎてしまっていたの。

・・・

来年なんて嫌だと思い書いて送らせて貰いました。

快く受け取っていただけてホッとしました。


ありがとうございました。

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