休日のランチシェアは・・・ -らの様へのプレゼントー
久し振りの何もない休日。洗濯物を干し終わって買い物をするために俺は部屋を出た。
今日はいい天気だ。部屋に籠っているなんてもったいない。そんな気分にさせるほどの青天。
それに12月にしては気温が高めで温かい日だし、なんといっても風が強く吹いていないのがいい。
公園を抜けて行こうと、俺は足を向けた。
この公園は少し大きい公園だ。反対側はオフィスビルがあるほうだから、天気のいい昼休みはここでお弁当を食べる姿を見たりした。
そうだ、何か買ってきてこの公園で食べよう。
俺はそう決めると、オフィスビルがあるほうに足を向けた。そちらにはワゴン車が止まっていて、お弁当を販売しているのを知っていたんだ。
今日は3台の車が停まっていた。それぞれの車は販売しているものは違っていた。サンドイッチとスープを販売している車、カレーを販売している車、有機野菜を使ったお弁当を販売している車。
俺は少し迷って、サンドイッチとスープを買った。
そして公園内に戻りプラプラと歩いていった。空いたベンチを見つけてそこに座った。
ゆったりと腰かけた俺は、すこし辺りを眺めていた。このベンチの前には噴水が中央にある池だった。噴水に日の光が辺り綺麗だな~と、ポケら~と眺めたいたんだ。
こんなにゆったりと過ごすのはいつ以来だろうと考えながら。
どれくらいそうしていたのか。
腕時計をつけてくるのを忘れたから、時間がわからない。
いや、携帯を出して見ればいいだけなんだけど、そんなことはする気になれなかった。
せっかくのスープが冷めてしまうと思い、俺は食事をしようとサンドイッチを取り出した。何にするか悩んだけど、パストラミサンドにした。スープはミネストローネ。野菜がたっぷり入っているのを気に入ったんだ。
サンドイッチを掴み、まさに口に入れようとした時に、そばで声が聞こえた。
「ああ~」
なんだと思いみると、俺と同じ袋を持った女性だった。女性の視線は俺の口元に向いていた。
いや、サンドイッチに向いていたようだ。
女性の声に口にサンドイッチを入れ損ねた俺は、再度食べようと口を開けてかぶりつこうとしたら、また女性が再度声をあげたのだ。
「あ~あ」
・・・おい。これは俺が買ってきたものなんだけどな。
という思いを込めて女性を睨んだら、女性は何故か微笑んできた。
「あの、突然すみません。もしよければサンドイッチをシェアしませんか」
「ああ?」
女性の言葉に俺は不審げな声を出した。かなり低い声になったと思うのに女性は怯んだりせずに、再度話し掛けてきた。
「私が買ったのはタンドリーチキンサンドなのですよ。本当はパストラミを食べたかったのですけど、売り切れてしまっていました。なので、もしよろしければ一切れ交換していただけないでしょうか」
女性の申し出に俺は暫し考えた。
そうだな。まずは。
「隣に座ったら」
「いいのですか。それではお邪魔します」
女性は隣にいそいそと腰かけた。その様子にさっきまでの不快感は少し薄れた。
女性も買ったサンドイッチとスープを取り出した。
俺はパックの中に残ったパストラミサンドを女性のほうに差し出した。
女性は嬉しそうに受け取った。
「ありがとうございます。すみません、本当に不躾なお願いをしてしまいまして」
「いや、いいよ。俺も他のサンドイッチに興味があったから」
「こちらも食べてくださいね」
俺達は二人並んでサンドイッチを食べながら、サンドイッチ談義に花を咲かせたんだ。
彼女はサンドイッチが大好きで、毎日昼はサンドイッチを食べていると言っていた。
楽しい時間はあっという間に過ぎた。
彼女が休憩時間が終わってしまうと慌てて片付けだした時に俺は言った。
「とても楽しかったよ」
「私もです。こんなに楽しい昼食は久し振りでした。もう少し時間があればいいなと思いましたよ」
「ところでさ、仕事は何時に終わるの」
「えーと、残業にならなければ17時30分です」
「じゃあ、終わったら夕食も一緒にどうかな」
「ええっ! いいんですか?」
「もちろん。俺は今日は仕事が休みなんだ。だからさ、迎えにいくからね」
「じゃあ、お願いします」
彼女と笑顔で別れて俺は思った。
気取らないところがいい。
笑顔がいい。
欲望に忠実なところがいい。
所作が綺麗だった。
何より、美人だ。
そう、俺は彼女に一目ぼれをした。
だから、俺は決めたのだ。
夕方に会ったら彼女を・・・。
しばらくこちらに顔を見せなくて、どうされたのだろうと心配していました。
お仕事が忙しくて、こちらに来れなかったとわかり安心しました。
本当なら15番目にプレゼントした方になるはずだったんですよ。
無事にお受け取り頂けて良かったです。
ですが、こちらは少し言葉を直しています。
うん。3回は読み直してからプレゼントすることにしようと、思ったのでした。
ありがとうございました。




