プロローグ
DJシロクマのラジオ番組! 始まるよ!
今夜はホラーナイト!
【お便りは別の人が読んでいます】
良い子の皆さま、悪い子の皆さま、そしていい歳した大人達。こんばんは、DJシロクマです。
今日、私……シロクマなのに死覇装着てます。どんな服か分からない人はググってみましょう。
きっと作者が今ハマってる漫画が分かります。
えー、話を戻しますが……何故にこんな格好をしているのか。答えは簡単です。今夜は……ホラー企画だからです。皆さんからの……コワーイお便りをご紹介したいと思いますーっ。
さてさて、んじゃ最初のお便りいきましょうーっ。(パフパフパフ)
おい、ホラーナイトだって言ってんだろ。なんでパフパフなんだよ。もっとあるだろ、ヒュードロ的な効果音……まあいいや。
えーっと、最初のお便り。蝋人形の館さんからーっ。何このペンネーム……歳バレない?
「シロクマさん、こんばんは」
はい、こんばんはーっ
「実は、最近おかしな出来事が続いたんです」
ほほぅ、早速来たね。心霊体験って奴だね?
「私の家は駅から徒歩十分くらいなのですが、真夜中に帰宅していると……」
うわーっ、嫌な予感しかしない! あれでしょ? 誰かの気配感じるとか……
「どこからともなく……凄い良い匂いが漂ってきて……」
……ん? あぁ……これホラーじゃねえだろ。おい、次のお便り……
「その臭いを辿っていくと……香ばしい匂いの正体は、日本人形を大量に燃やしてる臭いで……」
ギャァァァァァー! な、なんちゅう事してん! 呪われるよ?!
「それで次の日も、どこからともなく……良い匂いがしてきて……」
え、ま、また? もういいよーっ! 何の匂いとか確かめなくてもいいから!
早くお家に帰ろうよ!
「でも今度は、だんだん……だんだん臭いが強くなってきたんです。まるであっちから近づいてくるみたいに……」
え、え? ちょ、分かった、分かったから次のお便り行こう!
「咽かえるくらいの匂いがした時、いつのまにか足元に焼け焦げた日本人形の頭が……」
ちょ、ちょぉぉぉ! ヤメテ! マジで! 俺人形ネタマジで苦手だから!
ぁー、終わり? 終わりか。
勘弁してほしいわー。次は人形ネタじゃないよね?
普通のさ、心霊写真とかでも……ぁ、ラジオじゃ無理か……。
ま、まあ、じゃあ次のお便りは……えーっと、まーみんさん。
「シロクマさん、こんばんは」
はい、こんばんはー。
「シロクマさんは、とある都市伝説をご存知ですか? 最近ウワサになってるアレです」
アレって言われてもなー。歳をとる毎に都市伝説とか疎くなっていくのよー。
昔は何が流行ってたっけ……えーっと……口裂け女とか?
「とある廃園した遊園地に纏わる噂なんですけど、実は私の先輩がそこに噂の真相を確かめにいって……とんでもない物を発見しちゃったんです」
え? 何、とんでもない物って。
これは面白そうだな……。なんだろ。UMAとか?
「人の死体なんですけど」
ぎゃああぁぁあー! ちょ、待って! ヤメテ!
ちょ、なにこのお便り! 今夜ホラー特集だから! だれがサスペンスやれって言ったよ!
「警察も来て、先輩も話を聞かれたそうです。ぁ、一緒に私の友達も同伴してたんですけど……その子が変な事言ってたんです」
え、ちょっとー……まだ続くの? コレ。 警察から変な事言われない? 大丈夫?
「死体を見つける前、小さな子供が目の前を走って横切ったらしいんですけど……時間は深夜だし、廃園になった山奥の遊園地に子供が居る訳ないし……結局その子供は何処から来たのか分からないらしいんです」
うぁー……それ絶対アレだよ……なんだっけ……えーっと、アレ……子供の姿した幽霊……えーっと……
「それで結局……シロクマさん、私どうすればいいでしょうか……」
え、えぇ?! え、えっと……どうすればいいのかって……。
えっと、まず警察に行きましょう。何か知ってるなら、どんな些細な事でも情報提供してあげてね。
あと、間違っても遊園地で黒ずくめの男を見つけても後を追わない事! 変な薬飲まされても知らないよ!
えー、では次のお便り……貴方の背後に居ます、さんから。
またお前か! 前回は消しゴム落としたスタッフがスタジオに入って来てビビったけど! こういうペンネームやめてね!
「シロクマさん、こんばんは」
はいはい、ばんはー。
「シロクマさんは、裏野ドリームランド……という所を知ってますか?」
ん? ぁー、知ってるよ~。確か俺が子供の頃に出来た遊園地だなー。
行きたかったんだけどねー。俺、その頃……北極に居たからさ……。
「今は廃園になった遊園地なんですが、最近ネット上で大きな噂になってるんです」
ん? 廃園になった遊園地って……前のハガキでも……。
「とあるネット掲示板に、おかしな書き込みがあったみたいで……私は今、裏野ドリームランドの地下に閉じ込められている、助けてくれって内容の」
え、なにそれ。
「勿論誰も相手にしませんでした。ネットに書き込み出来るなら、電話なりメールなり、助けを呼ぶ方法はいくらでもある筈ですから」
あー、そう言われれば……。
「でも、二回目の書き込みで……同じ投稿者から動画付きで再び書き込みがされたんです。その動画が妙にリアルで話題になってたんですけど……」
動画? ふむふむ……
【カンペ:動画見て! 携帯で調べて!】
なんか適当な指示が来ましたーっ。どう調べろって……ん? 裏野ドリームランド……拷問……これ?
うわー、拷問とか……俺スプラッタな映画とか苦手なんだけど……。
えーっと、再生……しましたー。なんか薄暗い中に……女の人が一人映ってます。
これは……どっかに入れられてるのか? なんか良く分からん……。
『助けて……止めて……いやぁ! 閉めないで……閉めないでぇ!』
えぇ、これって……もしかして鉄の処女って奴? あの針が沢山生えた箱に入れられてるの?
え、ちょ……こわっ! え!? これ映画かなんかでしょ?
「その動画が投稿された翌日、地元の大学生が死体を見つけたそうです。遊園地の地下で……ドリームキャッスルの拷問部屋で」
※この物語はフィクションです。