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青春濃度-02

ぜんかいのおはなし~!


水着回で~す!

説明、おしまいwww

都市圏の方々には想像できないだろうが、K県を始めとする瀬戸内地方の… しかも穴場ともなれば、たとえ日曜日であってもそこそこ人がいる程度で割と空いている。きれいな水と真っ白な砂浜を思うがまま自由に使えるのだ。ただし、暗黙のルールは割りと厳しい。BBQは禁止だし、モータースポーツは以ての外。しかし瀬戸内海を行き交う船を見ながら泳ぐというのも、なかなかオツなものなのだ。


「それはそれとして…」

司馬が何やらブツブツと言っている。他の連中の視線も何気に痛い。

「どうして俊樹のところにだけ女が集まってるんだ!?」

言われてみれば、たしかにそうだ。


「だって、あたしは俊樹の保護者だもん」

とは、沙耶の言。

「マスターの側に付き従いその場にいるのは、(メイド)の権限です!」

右腕に抱きつきながら、メイ。

「だって、俊樹クンはウチの店子だしね~」

舞衣姉さんはさも当然のように。

「あら、偶然ですわ。けれど、俊樹とおしゃべりしてると楽しいんですもの」

秋帆は無邪気に笑う。加えて

「お嬢様に付き従うのは当然です」

とは、右京・左京の言。


「よぅし、俺達も突入するぞ!」

「「異議な~し!」」

我慢と理性の糸が切れた司馬の一言で、富野研とその他一同によるレクリエーションが始まった。そこからは敢えて書き記す必要もあるまい。毎度のことながらのカオスなドンチャン騒ぎが繰り広げられていただけなのだから。


◇     ◇     ◇     ◇


「ああ、疲れた。久しぶりに海で泳ぐのも悪くはないわね」

浜辺の砂は程よく熱かった。砂浜に敷いたビニールシート越しに冷えた身体を心地よく温めてくれる。沙耶が紅茶のペットボトルを渡してくれた。それを受け取った俺は、キャップを外しながら言った。

「そうだな。高校時分は学校の行事ぐらいでしか行ったことなかったしな」

「そうだったね。高校の時には俊樹、もう簡単なお仕事請け負っててさ。誘っても絶対に来ようとしなかったんだもの」

自分のペットボトルに口をつけながら沙耶、ちらりと俺の方を見る。

「あたし、寂しかったんだよ?」

「どうして? お前、結構友達いたろ。ぼっちだった俺と違って、結構あちこち行ってたみたいじゃないか」

「相変わらずわかってないのね」

沙耶は呆れたように肩をすくめた。

「どこへ行ったか、じゃなくて、誰と行ったかが大事なのよ?」

「…? わからん」

「…でしょうね~、この僕人参」

「それを言うなら、朴念仁。本当にお前、教育学科か?」

「俊樹なんて、人参で十分よ」

「どういう意味だ、まったく」

「そういう意味よ」

沙耶がぷいっと向こうを向いた。

「でもさ」

俺の口をついて、言葉が出てきた。

「こういうのも、いいな」

「でしょ?」

沙耶が笑った。釣られて俺も笑う。

「あら、いい雰囲気じゃない。何かいいことでもあったのかな?」

舞衣姉さんがやってきた。

「いつの間にお休みになってらっしゃったのかしら? なんだったら、私がご一緒してもよろしくてよ?」

と秋帆。

「お嬢様に付き従うのは当然です」

右京・左京! お前らには主体性というものはないのか?

「マスター! そろそろいい時間です。お昼の用意ができましたよ?」

メイの声が聞こえた。

「昼飯の準備は俺達も手伝ったんだぜ!」

…とその他一同。我ながら、連中に関してはひどい扱いをしてるな。

「そうそう、大家権限で多めにお弁当、作ってきてるんだよね~」

「酒のツマミばっかりじゃないでしょうね?」

自慢げな舞衣姉さんにツッコミを入れてみる。

「失礼ね? アタシだってちゃんと料理くらいできるんだ。まぁ…ツマミのほうが得意でああるけどさ」

皆が笑った。

「まぁ、それは偶然! 私もランチの用意をしてますの。よろしければ、皆様もいかが?」

いつの間にか、右京・左京が準備を進めていた。

「それじゃ、ごちそうになろうかな?」

「あ… あのね、」

「?」

「あたしも…ね。一応、準備してきてあるんだよ? …みんなの分…だけどさ」

「なら、一緒に食べよう。行こうぜ」

俺は沙耶の手を取って、みんなの元へと向かったのだった。


◇     ◇     ◇     ◇


「ねぇ、マスター。さっきは沙耶さんとどんな話をしていたんです?」

隣りにいたメイが上目遣いに聞いてきた。

「ん? どうして? メイでも気になるのか?」

「確かに私はアンドロイドです。でもそれ以前に、私はあなたのために作られたひとりの女の子、なんですよ?」

「? おかしなことを言うな?」

俺はアンドロイドにもマスターの心をくすぐるような感情… もしくはそれに似たものが実装されているのかと思った。

「でもそれって、プログラムされたものなんだろ? あくまでマスターに従順であるための…」

メイは寂しそうに笑った。そして、俺の手を取った。

「触ってみてください。 …鼓動が早鐘を打つのを感じるでしょう…?」

そのままメイは俺の手を自分の胸に当てる。アンドロイドらしからぬ、その…なんだ、やけにリアルな…。

でも、確かに鼓動を打っているのがわかる。それは力強く、そして早く。


「ーーーーー!!!」

そこにいた全員が凍りついた。声にならない声を上げていた。

「と、俊樹、あなた一体何やってんのよ!?」

「まぁ♡」

「最近のアンドロイドとは、なんとも大胆ですのね♡」

「!?」「!?」

「と、俊樹ィィィ! お前、み、水着の上からとは言え、いや、だからこそ、なんと羨ましい! 違う、破廉恥な!」

…数秒後、俺の頬には大きなビンタの跡がつくことになった。


◇     ◇     ◇     ◇


「それにしても、面白い現象ですのね」

秋帆が呆れた顔で俺の顔を覗き込む。

「アンドロイドがそのような行動を取るなんて」

「何も不思議な事じゃないわ」

舞衣姉さんが割り込んできた。

「人の記憶や感情の発露ってのは、電気信号の組み合わせなのよね。その記憶と経験を元に人格が形成されるんだけど、それならば、アンドロイドにも人格が生まれても不思議はないってことなのよ。ならば、人間だって厳密に言えば、自然発生的なアンドロイドとも言えるわ。記憶や人格を媒体を超えて置き換えることだって…」

「何を言ってるんです?」

俺は舞衣姉さんの様子が気にかかった。具体的に、と言われるとなんとも言えないのだが、普段とは違う表情をしていた。

「ああ、なんでもないのよ? 高度に創り上げられたアンドロイドが人格を持ってもいいじゃない」

「そりゃあ、そうですけんどもよォ。メイさんはあくまでメイドロイドとして造られたんでしょ?」

司馬が興味深げに湿温する。

「そうよ? どうして?」

「どうしてあなたがそこまで深く知っているんでしょうねぇ。…まるであなたが開発に関わっていたかのようだ」

舞衣姉さんはプッと吹き出した。

「そうね、あながち間違いでもないわ。でも違うの、アタシじゃないのよ」

「どういうことです?」

俺は訳がわからなかった。

「そこの所はアタシよりもキミ達のほうがよく調べてるんじゃない? 詳しくは明日にでも話してあげるわ。正直、アタシも行き詰まっててね~、キミ達の力を借りたいのよ。今回は、そのための顔合わせってこと」

「じゃ…、」

俺は秋帆たちの方を見た。

「ええ、確かに案内は頂きましたわ。でも、あなた方と一緒になって、このような展開になるとは思ってもみませんでした」


「さぁさぁ、あくまで今日は愉しみに来たの!」

舞衣姉さんが檄を飛ばした。

「存分に遊ばないと損をするわよ!」

そういう訳で、伏線を引きながらキャッキャウフフ回は続きます。

どうぞ次回もお楽しみに~www!


なお誤字脱字がありましたら、ご指摘いただけると幸いです。

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