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★共通 皆でお弁当


「あとは弁当を持ったベルターを待つだけだな」


魔法の練習をしていた私はベルターのお弁当をニルス、ジェクト、ヴァフォメロッド、アザーレア、ゼルルドと一緒に食べることになった。


「まさか入院しているときに転入生、しかも魔王がくるなんて驚いた」


といいながらヴァフォメロッドは大して驚いていない。


「魔王って古今東西にいるけど結局なんなんだ?」


ニルスがゼルルドに素朴な疑問を投げ掛ける。


「まあ世襲ではない。この国の初代魔王だからな」


ゼルルドが一人であの城を築いたという。


「そんなことより奴はまだですの?」


アザーレアは豪奢な弁当というものを見てやると張り合う気満々だ。


「おまたせー」


ガラガラと台車をひいて重箱を持ってきた。


「想像以上に多いな」

「パパが僕にお友だちが出来たって喜んでたんだよ~」


ベルターの父に息子の友人認定されたと聞いてニルスの目が輝いた。


「さっそく中をみようではないか」


魔王なのにゼルルドは弁当くらいでそわそわしている。


「まずは米」

「これって……」


白いがただの白米ではない。なんだかとても輝いている。


「これぞホントの銀シャリだな」

「次は卵焼き……」


柔らかくなくて固い四角い金ぴかがある。


「かと思ったら形が崩れない……金塊だ」

「ちらし寿司は……」

「イクラはマジで珊瑚(コーラル)金糸卵はスライスした金ぱくで米は真珠」


ジュエリット星人は星自体が宝石でできていてタダで手にはいる為それが主食であってもおかしくはないらしい。


「持ってる人とない人の差がひどい」

「ベルター君、これはありがたく弟達とわけることにする」


ニルスはにっこりとタッパーに詰めた。

「ニルス……」

「……売る気ですわね」

「ああ、わけるなんて口実に違いないよ」


私やアザーレア、ヴァフォメロッドは気づいていないベルターが可愛そうに思うと同時に、ニルスも家があれでしかたないんだという気持ちになる。


「なかなか美味い」


ゼルルドはバリバリと食事らしからぬ音を立てながらそれを貪る。


「おおう……」

「なにやってるんですのお腹壊しますわよ!?」


ニルスは軽く驚いて、ヴァフォメロッドは無表情で、アザーレアはわたわた慌てている。


「学園は今日も平和だね~」

「そうだね」


魔王だし大丈夫なんじゃないかなと私は生温かく見守ろう。

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