★ヴァフォメロッド① 光
――正義みたいでカッコイイ光の魔法を覚えよう。
「うーん」
「初心者は呪文をとなえないと」
そう言われても、持たされた魔法書が難しくて読めない。
「ねーこれ読める?」
さっそく使い魔に翻訳してもらおうと思う。
「えーなにこれ古い文字すぎて読めないよ」
1ページ目から顔をしかめた。
「目次」
後ろからよく知る人物の声がした。
「ヴァフォメロッド!」
もう退院して大丈夫なんだろうか。
「今日退院したんだ」
「……よかった」
「え……」
私が安堵すると、ヴァフォメロッドは少し驚いている。
「どうしたの?」
「いや、なんでもないよ」
彼は口をつぐんで話そうとしない。
「ヴァフォメロッド、一人で行動しないようにね?」
――元気そうで何よりだが、彼を襲った犯人は捕まっていない。
「うーん……」
「友達いないなら私が一緒にいるよ!!」
なんだか煮えきらない態度に失礼とはわかっているがついついカッとなる。
「犯人が無差別ならともかく狙ってるなら君が危険だと思うけど?」
◆
〔それは確かに〕
→〔お互いに気を付ける〕
「そうと決まったわけじゃないでしょ?それに私も誰かといるほうが安心する」
「へえ、ならお願いしようかな」
私は嬉しくてヴァフォメロッドに微笑む。
「おーい二人とも~」
「あ、ニルスにベルターとジェクト」
二人が手をふってこちらに走ってきた。
「アスリル、こいつの腕力やべ……」
ベルターに引きずられたジェクトは助けを求めている。
「おお退院したんだなヴァフォメロッド」
「うん、ついさっきね」
「じゃあ退院祝いもかねて皆でお弁当食べようよ」
というわけで五人で一緒にお昼を食べることになった。
「それにしても君が魔法の練習なんて珍しいな。天啓でもあったの?」
今まではどうせ無駄だからやらなくていいかと思っていた。
「なんていうかこの前拾った使い魔が立派な魔法使いにしてくれるっていうから」
ラービュラを拾ったのは魔王が騒動をおこしたとき。
「ああ、大変だったんだって?」
そしてヴァフォメロッドはまだ入院していたから―――
「誰だこいつ?」
「新顔か」
魔王が生徒になったことは知らないだろう。