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雑音
ロト・ロウの元を発ったレイファスは、
シャンデラに向かっていた。
己の力量が数段向上した今、必要なのは同志と強力な武器。
どちらにも、意中の相手があった。
それを探し出すために、シャンデラに行くのだ。
エルトフィアで最も優れた情報網を持っているのは、
大陸最大の規模を誇るジェストール軍。
その頂点に立つ赤騎士エデン・リリーシア、
すなわち他ならぬレイファスの兄の所にこそ、
最も多くの情報が集まるはずだ。
利用できるなら、利用したい。
現在のレイファスにとって最優先されるのは、
目的を達することだ。
以前の彼ならば、そのためであっても
兄の手は借りないと考えたかもしれない。
しかし、そこにこだわることに今は意味を感じない。
後になれば見えはしないし思い返しもしないのだ。
重要なのは、自らが望む結果を出すことである。
そうすれば、全てが解決する。
心の片隅で度々胸を叩くものも。
それは、ロトの言う心の影とやらなのだろうか。
―――――いや。
すぐに、レイファスはそんな考えを打ち消した。
自分は、高みを目指すだけである。
振り払うべきは、道を阻む雑音なのだ。




