19話
村に到着しその光景は惨い物だった
体をバラバラに引き千切られた遺体が彼方此方に・・・・
魔物は何故か居なくなった居た、俺は自分の兵たちに無事な村の住民の捜索・救助を命じ、護衛衆と共に屋敷えと向かった
申し訳ござらん
直江兼続が俺に向かって土下座をしている
その傍らには
胸に短剣が刺さっていた
「主様・・・おか・・えりな・・」
「もう喋るな。。。誰か傷の手当てを」
俺はマリーシァを抱きかかえ手を握り周囲を見回す
とそこに鈴が子供達を抱き現れた
「マリーさんしっかりして」
「ふふ・・・子供・・達を・・よろしくね・・」
それっきりマリーシァは起きなかった
誰も彼もが何も言えずにただ茫然としていた
そんな中子供達が泣き出す・・・・
深夜綺麗に片付けられた評定の間で家臣達を集め今後の対策を協議していた
「今回の魔物達の襲撃で出た死者はどの位か」
「およそ半数かと」
「そうか」
とその時直江兼続が腹をだし短刀を持ち切腹をし始める
「お館様・・・私一人腹を切るので部下達はなにとぞ」
「ならん・・・今死に逃げるのはこの私が許さん」
「ですが・・・マリーシァ殿を守れず・・・」
「そなたの船殿も先日身ごもったばかりでは無いか貴様が死んでどうする」
「しかし」
「そこまで悔やむのであれば、強い武士を育てよ・・・よいな」
「はは」
この場に居る皆泣いていた
明け方近く寝室で俺は鈴と強く強く抱き合い多くの事を語り合っていた
新しくできたお腹の子供の事や
マリーシァと初めて出会いや、喧嘩や仲直りをし託された子供達の事などを
日が明けて翌日の昼過ぎ織田領へ進行していたお館様から伝令が届いた
「織田領内で二万の兵が一瞬にて討ち死に、現在撤退戦の為救援を求む」
俺は直ぐに上杉景虎殿に援軍の使者をだした
裏切られるかもしれない
でもなんだか俺は上杉景虎殿を信じられた
俺の人を見る目に掛けてみた




