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神話使いの住む世界  作者: 高居望
第1章
8/9

休暇と再会(前編)

「あの入学式からそろそろ一ヶ月か」

 なんだかもっと前のことに思えてくるな。なんて、少し感慨にふけってみた。

 今日はゴールデンウィーク二日目だ。こんな学校でも授業以外のことは、意外と普通(、、)の学校と同じだ。だから、当然この大型連休もある。

 俺たちのチームは、この休暇にとある計画を立てていた。

「私たち、チーム結成から今まで、親睦を深めるような行事を一切行ってませんわ。それでせっかくの機会ですし、皆でどこかに遊びに行くというのはいかがでしょうか?」

 提案者は礼だ。へぇ、お嬢様だからもっと世間ずれしてると思ってたぜ。

「私は行けるよ。予定とか、特にないし」

「俺も大丈夫だ。問題はどこに行くかだな。礼と愛はどこか行きたい所あるか?」

 二人に聞いてみる。女の子の行きたいところって、よく分からないしな。買い物とかか?

「私は眺様とならどこだって行けますわ」

 婚約騒動以降、礼は婚約こそ口にしないものの、さまざまなアピールをしてる。俺、近いうちに鹿苑寺家に消されるかもな・・・

「愛は?どこか行きたい所あるだろう?」

「うん、その・・」

 言う答えは決まっているようだが、なかなか答えない。

「遊園地に行きたいな」

 遊園地か。定番といえば定番だな。大体誰でも楽しめるけど、こういうのは偶数人で行った方がいい気が・・

「遊園地か、場所はいいとして問題はメンバーだな」

 あまり知り合いのいない俺たちにメンバー集めは難しいな。なんて考えていると、

「お困りのようだな、このあたしが力を貸してやるぜ!」

 ハイテンションでこちらに話しかけてくる人物が。その相手は、

「間島先輩・・」

 この間、知り合ったイカした先輩だ。今日も熱いぜ。

「メンバーがほしいなら任せとけ。あたしらも行ってやるから」

 笑顔で参加表明された。しかもかなり断りにくい感じで。

 俺は愛と礼に聞いてみる。

「なんか先輩行きたいらしいけど、どうするか?」

「私は別にかまいませんが」

「ほかに誘う人もいないし、お願いしようよ」 

二人の答えは、是だった。先輩たち皆面白いキャラだし、一緒に行けば楽しいかもな。

 話し合いの結果を先輩に報告。

「じゃあ、お願いします」

「おう!任せとけ」

 こうして、俺たちは、ゴールデンウィーク二日目に六人で遊園地に行くことになった。


 遊園地前、現在午前九時。あぁ、もちろん俺たちは寮前で集合してから、電車でここまできたけどな。

 着いて早々、くるるちゃんが言った。

「ていあーん!今日はまず、昼まで一対一のデートにしよー。もちのろんで、一年生ちゃんと二年生で一組ずつなのだ!!」

「おっ!いいじゃんいいじゃん。ナイスアイディア、くるる!」

「勝手に決めちゃだめだよ~二人とも。君たちどうかな?」

 先輩たちはやる気満々だ。これは断りにくい。

「嫌な人~、てー上げてー!」

 歌うように言うくるるちゃん。なんか今日アグレッシブだな。当然誰も手を上げない。

「じゃあ決まりー。ながめん行こー」

 突然俺の体が動き出す。何だ・・・神話か?カットする暇もなく俺は連れてかれる。

「それじゃあ、十二時にここでまた待ち合わせってことで~」

 俺が言い残せたのはこれだけ。グッバイ皆!


「あれ乗ろ~、ながめーん」

「先輩、ちょっと待ってください。あれは・・・」

 ”あれ”というのは、この遊園地一番の大型ジェットコースター。いきなりあれに行くって、いくらなんでも・・

「いいじゃーん、ながめん。行こうよーけちんぼ。それと先輩じゃなくてくるるちゃんだよ~」

 完全にペースを持ってかれてる。ジェットコースターは乗るしかないか。

「わかりました、くるる先輩。でもちゃんと列に並んでください」

「オッケー」

 この先のどたばたは割愛。結果だけ言うと、くるる先輩は酔った。

「うぅ~、思ってたよりすごかったー」

「だから最初はもっと楽なやつからにしようといったのに・・・」

 俺は現在、食事コーナーでくるるちゃんを膝枕して介抱。できれば逆が望ましかったが、これはこれでありだな。

「12時前までここで休憩しましょうか」

「うん~ありがとー」

 無言だと気まずいし、何か会話しよう。

「くるる先輩は学年一位なんですってね」

「そうだよ、エリートさんなのです」

「生徒会長と戦ったことってあります?」

「あるよー。百戦百敗くらいかな。しるしっちもくるるちゃんもマジシャンなんだけど、しるしっち強すぎるの~」

 二年生と三年生でもそれだけの差があるのか。

「でもね~学年順位ってのは、純粋な神話力で判断されるから、単純にいちばん!とは言えないんだよ~。実際、大戦でMVPになるのは、たいていアタッカーだし」

 そうなのか。俺もアタッカーだけど、MVPは程遠いだろうな・・・

 それから、少し回復したくるるちゃんは俺にいろいろな神話を見せてくれた。さすが学年一位だな、なんて思いながら、時間経つのも忘れて夢中になる。


 12時ちょうど。集合場所に全員戻ってきた。愛は間島先輩とだったのか。明らかに疲れが見える。

「よし、午後はみんなで行動しようぜ!」

 そうだな。せっかくだし団体行動と行くか。

「そうだね。あ、僕午後のルート作っておいたから、これで行こうよ」

 ・・・意外と仕切りたがりのはじめ先輩だった。

 こんにちは。

 今回も二部作となります。

 後半は少し戦闘も混ぜる予定です。

 最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。

 御感想、お気に入り登録等していただけると励みになります^^

 では。

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