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番外編 余談

おまけみたいなもので、かなり短いです。


放課後、私がノートや教科書をしまっていると、恭子が振り向きやたらテンション高く話しかけてきた。


「涼ちゃん、今週末遊びに行こうよ。」

「あっ、ごめん。ちょっと大事な用事があるんだ。」

「なぬっ、あたしという嫁がいるのにか!!」

「いや、あんた嫁じゃあないし。」

「浮気はいかんよ。大罪だよ!」

「私の声聞こえているのか、あんたは。」

「みなの者、であえー、であえー。」

「そのテンションについていけないんだけど・・・。つーか、口調変だし。というか、何時代だよ。」

「もう、涼ちゃん、ノリ悪いよ。クールにツッコミいれないでよ。恥ずかしくなるじゃん。」

「あっ、恥ずかしいんだ。」

「…………少しだけ。」


私はふぅーと、溜息をつき、立ちあがる。


「それじゃあ、私そろそろ部室に行くからね。」

「えー、もっと放課後トークしようよ。あたしと涼ちゃんの仲じゃん。」

「ただの友達じゃん。」

「ただの!?それは違うよ!あたし達は誰もがうらやむ大・大・大親友じゃんか!!」

「ただの友達だけど。」

「もう、恥ずかしがり屋なんだから。涼ちゃんは。」


ツンツンと私の腕をついてくる恭子。今日の恭子はいつもよりテンションが高い気がする。


「それで、珍しいね。涼ちゃんに用事があるなんて。」

「すさまじく強引に話題変えたね……。まぁ、いいけど。私だって、たまには用事があるよ。」

「ふーん、女?」

「私の彼女みたいな聞き方するな。」

「まぁまぁ、彼女というより奥さんだから私。」

「全然違う。」


まだ、その設定続けてたのか……。


「はぁ、だから、ただ単に友達とちょっと出かけるだけだよ。」

「えっ!涼ちゃん、私意外に友達いたの?」

「あんた、本気で殴るよ。」

「ははは、冗談冗談。」


まぁ、実際図星なんだけど。


「だから、その、部活の友達と行くの。」

「あー、そういうことか。」


私が呟くみたいに言うと、恭子はしたり顔でにやにやし始めた。


「ふっふっふ、それは大事な大事な用事だね~。」

「う、うっさい。もう、私は行くからね。」

「もう、そんなに照れなくてもいいのに。でも、そっかあの子と遊びに行くんだね。」


すると、急に恭子はさっきまでのテンションがどこかに行ってしまったように、静かになった。


「別に、遊びに行くわけじゃないけど。」


私がそう言っても、ただ寂しそうに笑うだけだった。さすがに、ちょっと心配になる。恭子から元気がなくなったら、何が残るというのか。


「恭子?」

「ん?」

「どうかした?」

「ううん、ただ、ただね。」


そういって、恭子は窓の外に視線を移した。それはまるで昔を懐かしむような表情だったのは私の気のせいだろうか。


「いや、やっぱりなんでもないよ。涼ちゃん。」


再びこっちをみた恭子の顔には笑顔が戻っていた。


「それじゃあ、その部活のお友達によろしく言っといてね。」

「えっ?なんで?」

「私は涼ちゃんの嫁だからね。」

「違うと何回いえば分かってくれるのかな、恭子は。」

「冗談、私は涼ちゃんの親友だから。」


ねっ、とウインクをおまけして恭子はくるっと周り自分のカバンをつかんだ。


「それじゃあ、あたしもそろそろ部室に行かなきゃ。じゃあね、涼ちゃん。」

「うん、じゃあね。」


そう言って、恭子は颯爽と教室を出て行った。


「たくっ、高校生になっても恭子は変わらないな……。」


ぽつんと教室に残され、私はひとりヤレヤレと呟いた。


それでは、また次回!!

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