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第11話 嵐到着

先輩が来たのはそれから30分後だった。


「ハローーーー。マイニューエンジェルーーー。」


と、意味不明な雄たけびをあげ、扉を開け放ち、部室に入ってくる。


最悪だ・・・・・。初対面にして最低の印象を与えていると思う。


というか、この人が先輩だと思いたくない。


「先輩・・・・・、うるさいです。」

「もう、涼花はいつも怒ってるのね。」


あんたが怒らせとるんじゃーーーー。


と言いたいが、中村さんの前では自重しなくては。


中村さんをみると、日下部先輩を唖然とした表情でみている。


「あら、あなたが中村さん?」


先輩が彼女に気づき、そばに近寄る。


「えっ、あ、はい、そうです。は、はじめまして、中村葵と申します。」


中村さんは慌てた様子で、椅子から立ち上がり、頭を下げる。


「あたしは二年の日下部亜季。そんなにかしこまらないで。楽に接してくれていいから。」


そう言いながら、慣れてる仕草で中村さんの顎に手を当て、少し上を向かせる。


「えっ?あ、あの?」

「へ~、こうしてまじかで見ると本当に綺麗ね。食べてしまいたいくらいだわ。」

「な、ななな、なにを言っているんですか?」


中村さんはみるみる真っ赤になり、ワタワタしだした。


「先輩、そんな悪戯はよそでやってください。」


私は、先輩達の間に割って入り、中村さんを背にかばった。


「はいはい、そんなに睨まないでよ。こんな綺麗な子なかなかいないんだから、ちょっと遊ばせてくれてもいいのじゃないかしら。」

「そういうこと言っていいんですか?戸川さんの友達ですよ。悪い印象を与えない方がいいと思いますけど。」


「あー、そういえばそうだった。危ないところだったわ。」


そんな事言いながら、顔は笑っていた。


私は先輩はほっとくことにして、後ろを振り向く。


「中村さん、大丈夫?」

「あ、えっと、は、はい。少しびっくりしただけですから。」


まだ、ほんのりほっぺが赤く、手で顔をあおいでいた。


「ふふふ、その反応初々しくていいわ~。涼花がそういう顔してくれたのいつまでだったかしら?」

「先輩!!本気で殴りますよ。」

「冗談よ。」


微笑みながら、手でなだめるようなしぐさをしてくる。


「それにしても、本当に私は部活の後輩に恵まれているわ。適当に選んで入っただけなのに、こんなに可愛い子たちが入部してくるなんて。」

「たち?中村さんはともかく、私は別に可愛くありませんけど。」


私がそう訂正すると、


「そんなことないです。高山さんはかわいいです。」


なぜか後ろから声がした。


えっ?中村さん?何を言っているの?


「そうよ、涼花ったら全然自分のことわかってないのね。」

「そうです、全然分かってないです。」


えっ、なんで私が二人に責められているの?


私が頭にハテナを浮かべまくっていると、先輩が呆れた顔で、私をジロジロ眺めてきた。


「あのねぇ~、この際だから、ちゃんと言ってあげるけど、涼花って本当に可愛いのよ。」

「はいっ?何言ってんですか、先輩。だから、そんなわけないですって。誰にも言われたことないですもん。」

「うーん、どっちかって言うと、涼花ってクールビューティな感じで、言いにくいだけだと思うわ。ほら、なんて言うの冷たい感じがするっていうか。そうね、中村さんと正反対よね。」

「確かに私は中村さんとは似ても似つきませんけど。」

「そういう意味じゃなくてね、なんていうか。中村さんは物腰が柔らかくて温かい陽だまりのようなイメージなんだけど、涼花はクールで、孤高な感じがする月ってイメージなのよ。」

「あっ、私もそんなイメージがします。高山さんって凛としていてとっても綺麗なんです。」


二人が、特に中村さんがどこか嬉しそうに私をそう表す。


私が月?そんなバカな。確かに中村さんが陽だまりだというのは概ね賛成だけど。


「私の中では、戸川さんの方が月って感じですけど。」

「あー、そうね。でも、彼女は月というより花かしら。中村さんもそう思わない。」

「そうですね。何となくわかります。戸川さんの周りにはいつも人が集まっていますから。」

「へぇー、そうなんだ。戸川さんとはあまり話したことがないから分からないけど。」


そんな話をしていると、あれっと中村さんが首をかしげる。


「あの、日下部先輩は戸川さんとお知合いなんですか?」


うっ、しまった。私が戸川さんの話題を振ってどうする。


ちらっと先輩を見る。目が合った。

話してないの?と目が語りかけてくる。

それに私はうなずき返した。


「そう。まぁ、どうせ協力してもらうのだから、あたしからちゃんと話さないとね。」

「? 何のことですか?」


中村さんが困惑した表情で先輩を見ている。


「先輩、本当にそれ、私たちに協力させる気ですか?」

「ええ、そうよ。あなたたちの先輩が困っているのだから、助けるのは当たり前でしょう?」

「そういうのって、普通自分の力でなんとかするものでしょ?」

「それはもちろん、最終的にはあたしの魅力で落とすけど。そのきっかけを作ってほしいだけ。いいじゃない、どうせあなたたちのクラスメイトなんだから、それぐらい簡単でしょ?」


はぁ~、どうしたものか。


「あのっ、どういうことなんですか?日下部先輩、なにかお困りになっているようなら、お力になりたいですけど。」


先輩は、しめたっという顔でにっこりする。


「ほらほら、中村さんもこう言ってることだし、助けてよ、部長。」

「こんなときだけ、部長扱いしないでください。副部長。」


私は中村さんを見つめる。彼女は本気で先輩を心配しているような表情をしていた。


たぶん、私が何もしなかったら、中村さんだけが先輩に振り回されることになってしまうだろう。

それだけは避けなければならない。


とういうか、なぜだか先輩と中村さんを二人きりにしたくなかった。


「・・・・・・わかりました。でも、先に中村さんに事情を話すのが筋ってもんですよ。」

「そうね、中村さん。私の悩み聞いてくれる?」


中村さんは強くうなずいた。


「もちろんです。私でよければ。」



なんかだんだん中村さんのキャラをどうしていいかわからなくなってきた、今日この頃です。当初はもっと落ち着いた性格にしたかったのに・・・・・。


まぁ、どうにかなるでしょう。そこは流れに身を任せることにします。

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