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第1話 はじまり

初投稿です。お暇なときにでも読んでください。

彼女と出会ったのは運命だったのだろうか、もし、そうであるなら、私が選んだ選択もまた運命だったのかもしれない。



私は何の変哲もないごく普通の女子校に通っている。女子校だからといって、お嬢様学校というわけでもない。私立の学校だから、それなりにキレイではあるけれど。


それに、ここに通っているのはただ家の近くだからという何てことない理由からで。見知った顔も数人いるし、特別なことなんて何も起こることがない毎日。


そんな私の日常に彼女はやってきた。私の退屈な日常を壊した彼女が。



彼女との出会いは高一の夏、ちょうど夏休みの一か月前だった。



私はいつものように、同じ時間に起きて、学校へ行く準備をノロノロした。はぁ、学校めんどいなぁ。いつものことだけど、なんで毎日毎日学校へ行かなければならないのか疑問である。


どうせ授業を真面目に聞いている生徒なんてごくわずかだし。学校なんて楽しくない。早くこんな所から抜け出したい気分だ。だからといって、中卒で働く気にはならないんだけど。


そんなことを考えながら、私は登校した。クラスにはまだ数人しかいない。


(早く来すぎたかな・・・)


今日は考え事をしていて、無意識に早歩きになっていたらしい。まぁ、いつものことか。

なぜか私はいつもぼーっとしていると周りに言われる。失礼な話だ。頭だけはフル回転でいつも動いている。ただそれが顔に出ず、ぼーっとしているようにみえるだけなのだ。


しかも、初対面の相手には怒っているようにみえるらしい。まぁ、それはいい。


とりあえず、私は窓際の一番後ろの自分の席に座った。

特に友達としゃべるわけでもなく、ただ窓の外を見ていた。私の朝はいつもだ。朝でなくても、ただ静かに毎日を過ごす。何もしなくても時間は過ぎていくから。


私はただ、時間の中で漂うだけ。 彷徨う、だけ。


ただ何事もなく日々を過ごせればよかった。それだけでいい。私は何もしたくない。


時計を見る。そろそろ担任が来る時間だった。クラスメイトの大体がもう教室に来ていた。


「おはよう、涼ちゃん。」


そんな朝の時間、幼馴染みの川上恭子が話しかけてきた。小中高と一緒で、今も目の前の席にいる。今までで一番仲のいい友達だ。ちょっと変だけど。まぁ、それはおいおいわかるとして。


「おはよ、恭子」

「涼ちゃんはいつもはやいよね~。」

「あんたが遅いんでしょーが。いつもぎりぎりに来てるでしょ。」

「えー、そんなことないよ。 まぁ、それは置いといて。ねぇ、あの噂聞いた?」


いきなりだね。


「噂?何の?」

「今、クラス中その話で持ち切りだよ。」

「え、そうなの?」


そういえばクラスがいつもより騒がしい気がする。


「もー、涼ちゃんはいつもぼーっとしてるんだから。噂とか全然気にしないし。」


それはちょっと失礼だ。


「ぼーっとなんてしてない。くだらないうわさなんて気にする必要なんてないし。」

「そんなこと言ってると教えてあげないよ。」

「はいはい、勝手にすれば。」

「涼ちゃん、冷たーい。いつもだけど。」

「わかってるなら、いちいち言わないの。」

「まぁ、しょうがないなぁ~。やさしいやさしい恭子さんが噂、教えてあげる。」


いつものことだが、恭子は少しめんどくさい。まぁ、慣れているけれど、今日はなんだか気分が乗らず、いつもより冷たい反応をしてしまう。


「あんたが言いたいだけでしょーが。」

「えー、コホン。」


恭子がわざとらしく咳払いをして、一拍置いたのち、こう言った。


「・・・このクラスに転校生が来るらしいのです。」

「転校生?こんな時期に?」


一年生になったばかりの夏だ。こんな時期に転校してくるなんておかくしないか。


「そうなの、教員室で杏先生が知らない女の子を連れているのを見た人がいるんだって。」

「それだけじゃ、転校生かわかんないでしょ。」

「でも、おかしいと思わない?一年生のリボン付けているのに、一年生にはいない子を、我らが担任が連れて歩いてたんだよ。可能性は高いと思わない?」

「うん、それは確かに。そうかも。だけど、転校生だからって何?そんなに騒ぐこと?」


私には特に騒ぐようなことではない。この時期に転校生ていうのは変だと思うけど、何らかの事情があるんだろう。ただそれだけ、何の興味もなかった。


「見た子が言ってたんだけど、すっごい美人らしいんだよ。それでも興味ない?」

「私はどこの男子生徒だ。」

「えー、私はすっごく興味あるよ。それに、普通の女の子だって可愛い子には少なからず興味があるものだよ。宝塚とかみたいに。」

「私は興味ない。」


それに宝塚はちょっと違くないか?


「もう、いいよ。涼ちゃんなんて知らない。」


と言って、かわいらしく頬をふくらませて、恭子は前を向いてしまった。まぁ、いいか。いつものことだ。


恭子は、どちらかと言えばクラスでかわいい方に分けられる。背もちっちゃくて、ミニマムサイズだ。顔は愛らしい。いわゆるロリっ子という奴らしい。まぁ、自称だけど。性格もまぁいいといえばいいだろう。でも、あの趣味は、悪趣味としか言えない。まぁ、それはいいとして。


転校生か。周りを見渡せば、みんな友達同士で転校生だのなんだの話していた。そんなに転校生が気になるもんかね。私にはわからない。どうせ話すこともないだろうし。かわいい子ならなおさら、自分とは次元が違う。友達になることなんてありえない。


そう思っていた。







読んでいただきありがとうございました。なんでもいいのでぜひ感想をお聞かせてください。

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