四話
それからゴブリンを3体倒したところでタイムアップとなり、ダンジョンの外に強制的に転移させられる。
残念ながらレベルはひとつも上がらなかった。
その日から3日間連続でダンジョンに入り、ゴブリンを倒していたが、レベルはひとつも上がらなかった。
他の生徒は、ほとんどレベル10を超えて行くのな。
水鏡に至っては、レベル25まで上がっていた。
俺は焦りを感じ、担任に相談した。
「そうか、ならインターンを利用してみるか?」
インターンとは学生が、プロのハンターギルドに出向き、経験を積ましてもらう制度の事だ。
「是非お願いします」
「今インターン募集しているのは……ここなんてどうだ?」
【烈火ギルド】日本ランク22位
かなりランクの高いギルドだけど、高校生のインターンなんて大丈夫なのかと思ったが、将来有望な人材を集めるためにOKらしい。
「ここでお願いします」
「わかった。相手方と連絡がとれ次第連絡する」
「わかりました。失礼します」
「あっ、ちょっと待て」
ごそごそと机の中から取り出したのは、カードだった。
「これが、龍崎お前のハンターカードだ。一足早いが渡しておく。使い方は授業で教えた通りだ」
ハンターカード、ハンターの証明書であり宝物だ。
いろいろな機能が備わっている。
真っ白なカードの真ん中に大きくGと記載されている。そのままGランクと意味だ。
それから、烈火ギルドからの連絡が来るまでダンジョンでゴブリン狩りをしていたが、一つもレベルが上がらなかった。
一週間が経ち、ようやく連絡がきた。
どうやらインターンを受け入れてくれるそうだ。
次の日に指定された場所に行く。
烈火ギルドの本社ビル。立派な自社ビルを見るとかなり儲かっている事がわかる。
受付を済まし、待合室に入ると2人が待機している。学生服を着ているところをみると、俺と同じインターン生のようだ。
「お待たせ。えーっと三人とも来てるね」
10分程待っていると、スーツを来た40歳ぐらいの男の人が入ってきた。
「初めまして、私は烈火ギルドスカウト部課長の広瀬と申します」
広瀬課長からインターンの流れを聞き、その後に書類にサインすることになった。
最上級の警戒はするが、怪我などすることもあるという合意書。
そして、ドロップアイテムなどダンジョンで獲得したものは烈火ギルドの所有物になるということ。
理不尽に思うかもしれないが、インターンとはそういうものだと授業でもならっているし、仕方ないと俺も思うのでサインをした。